がん対策における管理評価指標群の策定とその計測システムの確立に関する研究

文献情報

文献番号
200622054A
報告書区分
総括
研究課題名
がん対策における管理評価指標群の策定とその計測システムの確立に関する研究
課題番号
H18-がん臨床-一般-023
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
祖父江 友孝(国立がんセンター がん対策情報センター がん情報・統計部)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(京都大学大学院 医学研究科 医療経済学分野)
  • 濱島 ちさと(国立がんセンター がん予防・検診研究センター 検診技術開発部)
  • 宮下 光令(東京大学大学院 医学形研究科 健康科学)
  • 島田 安博(国立がんセンター 中央病院)
  • 杉原 健一(国立大学法人東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 浅村 尚生(国立がんセンター 中央病院)
  • 向井 博文(国立がんセンター 東病院)
  • 國土 典宏(東京大学 医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、がん対策の達成状況を評価する核となる指標群を設定し、それらの計測システムを確立に関する研究を行うことで、がん対策基本法に定めるがん対策推進基本計画の策定および見直しの際に、当該施策の具体的な目標の設定と達成状況の調査についての基礎資料を提供することを目的とする。
研究方法
カにおける報告書「Ensuring Quality Cancer Care(1999)」以降に行われた各種機関における取り組みについて検討した。ジョージア州における52項目策定例、RAND Corporationが開発したThe QA Tools Systemなどを検討した。
さらに、主要部位(当面、胃、大腸、肺、乳房、肝の5部位)に対するわが国の診療ガイドラインを確認し、その作成過程や内容を比較検討した。
結果と考察
それぞれのガイドラインにおいて、基本となる方針や系統的レビューの実施方法にばらつきがあり、科学的根拠に基づく指標の選定の基礎資料としての利用可能性にも差があった。
RAND Corporationの開発した指標群の選定方法に従って、評価指標候補群を事務局で策定し、9名の専門家パネルにより、候補群から指標を絞り込む作業を、乳がんを例として、開始した。今後、指標群選定に関する標準的な作業手順書を作成して、他臓器にも適用する。緩和ケアについては、適切なガイドラインが存在しないため、先行事例を中心に指標の候補群を選定し、他の臓器と同様に、9名の専門家パネルにより、候補群から指標を絞り込む作業を予定する。
アメリカでは、1999年にNational Cancer Policy Boardが「Ensuring Quality Cancer Care」と題する報告書を公表し、診療の質を計測するための核となる指標群を設定することが必要との指摘がなされた。これを受けて、2005年には、ジョージア州を例として、診療の質を計測するための核となる指標群52項目(予防10項目、検診5項目、診断14項目、治療23項目)が提示されている(肺がん、大腸がん、乳がん、前立腺がんの4部位に限定)。
結論
わが国においても、わが国に多い主要5部位(胃、大腸、肺、乳、肝)について、同様の指標群を設定し、計測システムの確立を検討する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2007-04-23
更新日
-