緩和ケアのガイドライン作成に関するシステム構築に関する研究

文献情報

文献番号
200622052A
報告書区分
総括
研究課題名
緩和ケアのガイドライン作成に関するシステム構築に関する研究
課題番号
H18-がん臨床-一般-021
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
下山 直人(国立がんセンター中央病院 手術部)
研究分担者(所属機関)
  • 的場 元弘(国立がんセンターがん対策情報センター がん情報・統計部がん医療情報サービス室)
  • 佐伯 俊成(広島大学病院 総合診療科)
  • 辻 哲也(慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室)
  • 森田 達也(聖隷三方原病院 緩和支持治療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.緩和医療の推進、情報の均霑化のための症状緩和ガイドラインの作成とそのガイドラインにup-to-dateな情報を含めていくためのシステム構築
2.日本の現状を加味したグランビジョンの作成
研究方法
1.1)がん性疼痛マネジメント(薬物療法、非薬物療法)、がん患者の精神症状マネジメント、リハビリテーションに関しての現状の把握を既存の文献・情報のレビューによって行い、必要な情報にたどり着けるようにするためのアルゴリズムを作成する。2)緩和ケアに関する研究会に参加した医療者に精神的なケアに対するニーズの独自アンケートを行った。3)サーチクエスチョンにのっとり、理学療法として代表的であるマッサージ、温熱、寒冷、経皮的電気刺激療法を選択し、それらの疼痛緩和に対する効果を分析した論文を抽出した。
2.緩和ケアの現状を包括的に明らかにするために、緩和医療に関する既存の文献・情報のレビューを行い、グランドデザインとして明らかにする。
結果と考察
1.1)オピオイドなどの薬物療法と放射線療法に関しては継続してがん性疼痛治療ガイドラインの作成をめざした。神経ブロック療法、代替療法、IVRに関しては、文献のレビューだけでなく、関連学会と連携し、ワーキング・グループを形成した。2)精神的なケアの担い手として医療従事者の間では40%が精神科医をあげた。非医療従事者では57.6%が主治医、36.4%が精神科医を挙げた。精神的ケアの担い手に関しては、非医療者、医療者その中でも医師、看護師の間で齟齬が認められた。これら役割分担に関しては調整が必要であると思われた。3)マッサージに関しては、勧告グレードはAとされた。温熱・寒冷療法は、C1となった。経皮的電気刺激はグレードとしてはBとなった。がん患者に対するリハビリに関しては、未だにエビデンスレベルは低く、現状の把握が重要であると考えた。
2.緩和医療関連団体の代表者が集まり、それぞれの立場からの現状、問題点の把握を行った。正しい情報提供の不備、教育システムの不備などが挙げられ、それらの問題解決のための達成目標が示された。
結論
全人的なケアに関する疼痛マネジメント、精神的ケア、リハビリについてガイドラインの作成に関するシステムの構築をめざした。また、グランドデザインを作成し、日本における緩和医療に現状の把握を行い、今後の展望も検討した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-12
更新日
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