臨床研究基盤整備の均てん化を目指した多目的教育プログラムと普及システムの開発

文献情報

文献番号
200618038A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研究基盤整備の均てん化を目指した多目的教育プログラムと普及システムの開発
課題番号
H18-臨研(教育)-若手-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(国立がんセンター がん対策情報センター がん情報・統計部)
研究分担者(所属機関)
  • 藤原 康弘(国立がんセンター中央病院 第一領域外来部 通院治療センター)
  • 福田 治彦(国立がんセンター がん対策情報センター 臨床試験・診療支援部)
  • 安藤 正志(国立がんセンター中央病院 第一領域外来部乳腺科)
  • 吉村 健一(国立がんセンター がん対策情報センター 臨床試験・診療支援部 医学統計室)
  • 若尾 文彦(国立がんセンター中央病院 放射線診断部腹部放射線診断室)
  • 笹栗 俊之(九州大学 医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 臨床研究基盤整備推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
33,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
質の高い臨床研究は、臨床研究を理解する多くの職種の共同作業によってしか達成することができないが、我が国ではこれら多くの職種に対する系統的な教育は皆無に等しい。そこで、臨床研究現場で履修できるような教育プログラムの開発と普及、プログラム履修を通した研究者のネットワーク化を本研究の目的とする。
研究方法
教育プログラムとして、臨床研究に携わる全ての人(初学者)向けのもの、研究者向け、倫理審査委員会(IRB)メンバー向けを開発する。
普及の方法として、インターネット履修システムを作成する。さらに、多地点テレビ会議やテキストによる普及も検討する。また、履修修了認定証を学会での専門医認定・臨床試験への参加・研究費応募の条件とすることで普及に努める。
インターネット履修システムに加え、研究実施や新しい研究トピックに関する情報を発信する臨床研究ポータルサイトを作成し、教育プログラムを履修した研究者のネットワーク化を行う。
結果と考察
18年度は国立がんセンターにおいて初学者および研究者向け臨床研究教育プログラムを開講し、築地および柏キャンパスを結んで多地点テレビ会議による配信を行った。初学者向け講義の内容として、研究倫理、研究ガイドラインや法、統計学、疫学、臨床研究方法論、研究システム、メディカルライティングなど、研究者向けとして、研究デザイン、統計解析、プロトコール作成、遺伝子研究などを含んでおり、これを元にインターネットにより自己学習できるような教育プログラムを開発し、テスト配信及びその評価を行った。内容的には十分という評価は得たものの、より利用しやすい形態のプログラム配信の必要性が示唆された。
IRBメンバー向け教育プログラムの基礎資料を得るために、福岡県の全医療機関約500のうち、IRBを持つ173の施設に対し約70項目の実態調査を行い、163委員会(94%)から回答を得た。解決すべき問題として、審査対象となる研究が申請されていない可能性があること、審議課題が多く委員の負担が大きいこと、審査基準やマニュアルを作っているIRBが少ないことなどが挙げられた。また、教育研修の機会があったほうがよいと答えたIRBが80%に上った。
結論
初学者向け及び研究者向けの教育プログラムを作成し、インターネットによるテスト配信を行った。IRBの実態調査を行い、教育プログラム作成の基礎となるデータが得た。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
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