低出生体重児の無呼吸発作に対するドキサプラムの安全性・有効性に関する研究(若手医師・協力者活用等に要する研究)

文献情報

文献番号
200618023A
報告書区分
総括
研究課題名
低出生体重児の無呼吸発作に対するドキサプラムの安全性・有効性に関する研究(若手医師・協力者活用等に要する研究)
課題番号
H17-チーム(小児)-若手-003
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
北島 博之(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 臨床研究基盤整備推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,173,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
低出生体重児の無呼吸発作に対し、ドキサプラムの低用量持続静脈内投与法を採用し、キサンチン製剤との安全性・有効性につき比較検討する。実施計画確定のために日本臨床研究支援ユニットとの討議を含みながら、チームを構成する若手医師、研究協力者の協力により試験実施計画書を作成することが目的である。
研究方法
試験デザイン:アミノフィリン不応の患者を対象とし、アミノフィリン併用下で投与するドキサプラムの多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、ランダム化並行群間比較試験
[対象]
選択基準
 1.在胎期間22週以上33週未満で出生し登録時の受胎後週齢が35週未満
 2.フィリップス社製新生児モニターで呼吸心拍監視されている
 3.未熟児無呼吸発作がある
 4.静注用アミノフィリンによる治療に不応と判定されている
 5.試験参加の同意を被験者の代諾者から文書で得られている
[試験治療]
試験薬剤(ドキサプラム、プラセボ)の低用量持続静脈内投与(7日間)
[評価項目]
主要評価項目: 7日間の試験治療のtime to treatment failure(TTF)
副次評価項目:無呼吸発作頻度(回/hr)の改善度、退院時の転帰、有害事象、1歳半、3歳時の成長・発達、薬物動態
[目標症例数]
ドキサプラム群、プラセボ群各18名、合計36名
[試験実施予定期間]
2007年4月~2008年3月までの1年間
結果と考察
今年度は日本臨床研究支援ユニットの協力をえて、若手医師、研究協力者のチームがその作成過程に参加し、試験計画をより精度の高い、かつ信頼性、科学性の高いものにすることができ、同時にその過程において、臨床試験実施の方法論を習得することができた。また試験参加施設支援として、施設間でのコーディネート、また施設の審査委員会での情報を解析して、審査委員会における審査情報を他施設へ提供、申請に際しての必要書類の整理、送付をおこなうなど臨床試験実施の重要な支援すべき側面を見いだすことができた。
結論
本研究を通じ、新生児臨床研究ネットワークという臨床研究実施支援体制のインフラストラクチャーを更に強化する機会が与えられた。この支援体制を継承し内容的にも、人的にもさらに充実したものにすることにより、蓄積された経験を発展させ、新生児のみならず小児に対する薬物療法をより安全に行うため、オフラベル問題の解決へ向けてさらに基盤整備し有効に利用してゆける。チームのメンバーである研究協力者は本研究を計画、実施することを通じて、将来的に臨床試験の計画、実施においてもその核となり、その経験を活用してゆけるよう準備できつつある。

公開日・更新日

公開日
2007-04-11
更新日
-