早期消化管がんに対する内視鏡的治療の安全性と有効性の評価に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)

文献情報

文献番号
200618019A
報告書区分
総括
研究課題名
早期消化管がんに対する内視鏡的治療の安全性と有効性の評価に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)
課題番号
H17-チーム(がん)-若手-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
田村 孝雄(神戸大学医学部附属病院消化器内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 臨床研究基盤整備推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,604,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
早期消化管癌に対する治療法として従来のEMRに代わり、ESDは画期的な方法であるが、手技の習得に熟練が必要で出血や穿孔といった偶発症も多く、一般化させるためには問題点も少なくない。そこでより安全確実なESD技術の確立を目的に本研究を計画した。さらにこれらの研究や患者治療を通じて若手医師や臨床研究協力者を活用できる体制を整備すると同時に若手専門家を育成することを目指した。
研究方法
2本の内視鏡を協調操作しながら治療を行うDouble scope-ESDを開発し早期胃癌に対する臨床応用を行う。また主題である若手医師・協力者活用に関しては今回雇用した若手医師や臨床研究協力者は内視鏡研究のプロトコール作成や運用に取り組むと同時に、当院で施行中の他の多施設共同臨床試験にも参加して,新規治療法開発のためのevidence作りに貢献し、これらを通じて臨床試験の流れやプロトコールの取り扱いについて幅広く学ぶ。さらに2006年7月からは内視鏡治療専門のトレーニングセンターとして「神戸消化器内視鏡機器開発・教育センター(KEDDEC)」を開設し、各種機器開発を行うと同時にミニブタを用いたハンズオンセミナーなどを通じて他施設所属の医師も含め若手医師の教育も行う。
結果と考察
現在までに20例のESD困難症例に対してDouble scope-ESDを行い、いずれも偶発症なく従来のESD法に比べ短時間で安全に一括完全切除可能であった。また、ESDの普及に向けてKEDDECにて計3回のハンズオンセミナーを開催し、参加者より高評価を得た。
さらに今回雇用した若手医師や臨床研究協力者は内視鏡技術開発にとどまらず胃がんに対する分子標的薬の有用性を検討する多国籍第III相試験のToGAや, 胃がんの標準的治療を決める第III相試験のJCOG9912 , JCOG0106-MF, JACCRO-GC-03、大腸癌に対するFOLFIRI/IRISなどの消化管がん化学療法の主要な大規模臨床試験や大腸癌に対する分子標的治療薬Bevacizumabの新薬承認のための判断資料となるRO4876646などのいくつかの治験にも参加し, がん化学療法のevidence作りに貢献するとともに、臨床試験実施経験を積むことができた。
結論
消化管癌に対するDouble scope-ESDは安全かつ有効な方法であることが期待できる。臨床研究に専念して参加できる機会を若手に与えることは、臨床研究を効率化していく上で有意義であったと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-11-27
更新日
-

文献情報

文献番号
200618019B
報告書区分
総合
研究課題名
早期消化管がんに対する内視鏡的治療の安全性と有効性の評価に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)
課題番号
H17-チーム(がん)-若手-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
田村 孝雄(神戸大学医学部附属病院消化器内科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 臨床研究基盤整備推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
早期消化管癌に対する治療法として従来のEMRに代わり、ESDは画期的な方法であるが、手技の習得に熟練が必要で出血や穿孔といった偶発症も多く、一般化させるためには問題点も少なくない。そこでより安全確実なESD技術の確立を目的に本研究を計画した。さらにこれらの研究や患者治療を通じて若手医師や臨床研究協力者を活用できる体制を整備すると同時に若手専門家を育成することを目指した。
研究方法
2本の内視鏡を協調操作しながら治療を行うDouble scope-ESDを開発し早期胃癌において従来のESDと比較し、一括切除率、施行時間、偶発症発生率を検証する。また主題である若手医師・協力者活用に関しては今回雇用した若手医師や臨床研究協力者は内視鏡研究のプロトコール作成や運用に取り組むと同時に、当院で施行中の他の多施設共同臨床試験にも参加して,新規治療法開発のためのevidence作りに貢献し、これらを通じて臨床試験の流れやプロトコールの取り扱いについて幅広く学ぶ。さらに2006年7月からは内視鏡治療専門のトレーニングセンターとして「神戸消化器内視鏡機器開発・教育センター(KEDDEC)」を開設し、各種機器開発を行うと同時にミニブタを用いたハンズオンセミナーなどを通じて他施設所属の医師も含め若手医師の教育を行う。
結果と考察
現在までに20例のESD困難症例に対してDouble scope-ESDを行い、いずれも偶発症なく従来のESD法に比べ短時間で安全に一括完全切除可能であった。研究計画に基づき症例集積を継続する。また、ESDの普及に向けてKEDDECにて計3回のハンズオンセミナーを開催し、参加者より高評価を得た。
さらに今回雇用した若手医師や臨床研究協力者は内視鏡技術開発にとどまらず胃がんに対する分子標的薬の有用性を検討する多国籍第III相試験のToGAや, 胃がんの標準的治療を決める第III相試験のJCOG9912 , JCOG0106-MF, JACCRO-GC-03、大腸癌に対するFOLFIRI/IRISなどの消化管がん化学療法の主要な大規模臨床試験や大腸癌に対する分子標的治療薬Bevacizumabの新薬承認のための判断資料となるRO4876646などのいくつかの治験にも参加し, がん化学療法のevidence作りに貢献するとともに、臨床試験実施経験を積むことができた。
結論
消化管癌に対するDouble scope-ESDは安全かつ有効な方法である可能性に期待できる。
臨床研究に専念して参加できる機会を若手に与えることは、臨床研究を効率化していく上で有意義であったと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-11-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200618019C

成果

専門的・学術的観点からの成果
消化管早期癌に対する治療法として従来のESD法に比べ短時間で安全に一括完全切除可能な内視鏡手術方法(Double scope-ESD)を提案中である。併せてダブルスコープの操作性の改善を目的に細径ダブルルーメンタイプオーバーチューブを開発し、これにより体型を問わずより安全にダブルルーメンタイプチューブの挿入・操作が可能になったと考えられる。内視鏡の技術は世界でも本邦の技術が最先端のものが多く、新しい技術を提案し続けることで世界をリードできると期待される。
臨床的観点からの成果
臨床研究に必要な人材の育成を目的に今回雇用した若手医師や臨床研究協力者を内視鏡技術開発にとどまらず消化器がん化学療法の主要な大規模臨床試験にも参加させ、がん化学療法のevidence作りに人的に貢献するとともに、臨床試験実施経験を積ませることができた。今回のような臨床研究に専念できる機会を若手に与えることで臨床研究を効率化し、さらには臨床研究の意義を若手に認識させる上で大きな動機付けとなり、臨床研究の手法を効率的に次世代に伝えることでより良い治療法の迅速な開発を行い社会へ還元できると思われる。
ガイドライン等の開発
該当なし。
その他行政的観点からの成果
該当なし。
その他のインパクト
該当なし。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-