難治性白血病に対する標準的治療法の確立に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)

文献情報

文献番号
200618018A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性白血病に対する標準的治療法の確立に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)
課題番号
H17-チーム(がん)-若手-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
大西 一功(浜松医科大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 臨床研究基盤整備推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,299,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
未治療慢性期慢性骨髄性白血病(CML)におけるイマチニブの有効性・安全性、長期予後の検討および、イマチニブにより十分な効果が得られない患者に対するイマチニブとIFNαまたはcytarabine ocfosfate併用の有効性と安全性の比較検討(CML202試験)を目的とする。また新規試験ではイマチニブの至適用量の決定を目的とする。
研究方法
成人慢性骨髄性白血病プロトコール(CML202試験)では、未治療慢性期CMLにおいてイマチニブ1日400mgの有効性・安全性ならびに長期予後を検討するとともに、イマチニブを使用したにもかかわらず大細胞遺伝学的効果が得られなかった症例に対し、イマチニブ+IFNα併用またはイマチニブ+cytarabine ocfosfate併用療法のランダム化第II相試験を行い有効性と安全性を比較検討した。イマチニブ単独群および各併用療法の主要評価項目はそれぞれ全生存期間、細胞遺伝学的効果とした。
結果と考察
CML202試験(489例)は2例が併用群に二次登録され終了した。イマチニブ単独群の観察期間中央値24ヶ月の中間解析では、48ヶ月時点での予測有効性は、血液学的完全寛解94%、完全細胞遺伝学的効果92%、分子遺伝学的効果55%であった。治療前のSokalリスク別の完全細胞遺伝学的効果は高リスク群では有意に到達率が低かった。4年予測全生存率は95%、無増悪生存率は94%、12ヶ月、18ヶ月時点でのランドマーク解析ではその時点での完全細胞遺伝学的効果に到達した症例は、未到達症例に比べ無増悪生存率が優る傾向にあった。またヨーロッパより提案された効果判定基準に基づきイマチニブ増量のプロトコール改正を行った。一方、分子遺伝学的完全寛解を2年以上継続している症例を対象にしてイマチニブの至適維持用量の検討のため間歇投与による減量試験を作成した。CMLのイマチニブ耐性の主要原因とされるBCR-ABL遺伝子の変異についてイマチニブ抵抗例を対象に変異解析スクリーニング計画書を作成した。
結論
CML202試験における観察期間中央値24ヶ月の中間解析では、欧米とほぼ同等の有効性と安全性が示された。また最善の効果未到達例に対する増量効果の検討のためプロトコール改正を行った。同時にイマチニブ耐性の主因とされるABL遺伝子の変異解析についてもスクリーニング計画書を作成した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-11-27
更新日
-