文献情報
文献番号
200618007A
報告書区分
総括
研究課題名
食後血糖上昇の抑制による心筋梗塞二次予防に関する大規模薬剤介入臨床研究
課題番号
H16-チーム(生活心筋)-若手-009
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
北風 政史(国立循環器病センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 臨床研究基盤整備推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
15,080,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
血糖の上昇は酸化ストレスを引き起こすことが知られており、食後高血糖のみがすでに大血管障害のリスクとなり、心筋梗塞の発症リスクを高めることがわかっている(Donahue RP, et al. Diabetes 36: 689-692,1987)。そこで心筋梗塞後の症例に対して、αグルコシダーゼ阻害薬により食後の血糖上昇を抑えることが、心筋梗塞二次予防につながると考え我々は本研究を立案した。
研究方法
本研究は急性心筋梗塞で入院した症例に対してαグルコシダーゼ阻害薬を投与し、その心血管イベントの抑制効果の有無を全国100施設と共同した多施設大規模臨床試験にて4000症例をエントリーして検討する。かかる大規模多施設臨床研究の成否にはサンプルサイズおよび質の高いデータの確保が重要な要素となる。
結果と考察
平成18年度は、目標症例数を目指しエントリーを推進した。今後も目標症例数の4000症例までエントリーを継続する予定である。現在までの登録症例の観察では心臓死・急性心筋梗塞発症症例は全体として12症例であり急性心筋梗塞を扱ったJ-WIND1試験より少ないイベント発生率となっていた。割付群別ではαGI群4例、対照群8例(p=0.25)でありαGI群でイベント発生が少ない傾向にあった。
結論
本採択研究は4000例の登録・フォローアップを予定しており、試験体制立ち上げ時もさることながらエントリー開始後の努力によりデータの質が大きく左右される。また、各施設への試験実施に関する問い合わせ業務も非常に重要であり、定期的なニュースレターの発行・電子メールや電話による問い合わせなど幅広く行っているが、実際に参加予定施設に招かれ説明会を行うことなどもあり、人的資源が必要となる。さらには、有害事象などは計画書の文面と各施設からの報告内容の摺り合わせが必要となり、医学的な知識を持ちながら臨床研究の流れを十分に理解した、かかる臨床研究実施チームの人材は貴重であり研究遂行上必要不可欠であった。
公開日・更新日
公開日
2007-04-18
更新日
-