家族性黄斑変性カニクイザルを用いた加齢黄斑変性の新規治療及び予防薬の開発

文献情報

文献番号
200614096A
報告書区分
総括
研究課題名
家族性黄斑変性カニクイザルを用いた加齢黄斑変性の新規治療及び予防薬の開発
課題番号
H18-創薬-002
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
寺尾 恵治(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 鍵本 忠尚(アキュメンバイオファーマ株式会社)
  • 和田 淳(アキュメンバイオファーマ株式会社)
  • 石橋 達朗(九州大学大学院医学研究院眼科学分野)
  • 畑 快右(九州大学大学院医学研究院眼科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
遺伝加齢黄斑変性疾患(AMD)を自然発症するカニクイザルを用いた薬効評価系を確立し、国際的競争力のある新規治療及び予防薬候補物質の開発を行うことを目的とする。
研究方法
医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センターで維持されている網膜黄斑変性家系のうち、継時的に眼底観察を行っている4頭(雌2頭:3歳、7歳、雌2頭:3歳、5歳)について、加齢に伴う網膜黄斑部の病態変化を調査した。
結果と考察
網膜黄斑変性症を発症した4頭共に、4歳齢、5歳齢、7歳齢と加齢に伴い黄斑部の変性病変の拡大と病斑点の増加が認められた。すなわち、霊長類医科学研究センターで維持しているカニクイザルのADMモデルでは時間経過と共に病態が進行することが確認された。病態進行の程度は異なるものの調査した4頭すべてで両眼とも変性病態の加齢性進行が2年単位で確認できることがわかった。ADM治療候補薬の薬効評価では、病態の進行阻害が最も期待されているものであり、今回の結果から、片眼に治療候補薬を他眼にプラシーボを投与することにより、病態進行を遅延させる薬効評価が可能と判断した。
結論
霊長類医科学研究センターで維持している家族性ADMモデルカニクイザルでは、1?2年の観察間隔で病変部の拡大と病変斑点の増加が両眼で観察された。このことから、本モデルを対象として黄斑変性病態の進行阻止を標的とした薬効評価試験が実施可能であることが判明した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-24
更新日
-