文献情報
文献番号
200614095A
報告書区分
総括
研究課題名
タンパクリン酸化酵素SIKの糖・脂質代謝のおける役割と創薬標的評価系の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H18-創薬-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
竹森 洋(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
- 宮内 明(株式会社 プロテインエクスプレス)
- 寺岡 宏(株式会社 プロテインエクスプレス)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
SIK2は脂肪細胞に高発現しているタンパクリン酸化酵素であり、SIK2を標的とした薬は、既存の抗肥満/糖尿病の薬とは異なる新規の薬理作用を示すことが期待される。SIK2の発現動態の解析や褐色脂肪細胞で機能亢進型SIK2を発現させたモデルマウスの解析は、SIK2が脂質代謝に関与することを示唆している。しかし現時点ではSIK2を標的とした創薬に乗り出すには未だリスクが大きく、基礎レベルでの創薬標的としての妥当性の証明が必要である。
研究方法
SIK2機能破壊モデル動物の作製、SIKファミリー酵素の構造解析ならびにアイソフォームごとの特異的構造と酵素活性の相関検討、SIKそのものの機能やSIKシグナルの上流および下流の因子の機能を修飾するモデル低分子化合物のデザインを試みる。
結果と考察
脂肪細胞で高発現しているSIK2の糖尿病や肥満への関与を検索する目的でSIK2の遺伝子破壊マウスの作成に成功した。このSIK2-KOマウスは、正常に生まれ、外観上の差異は未だ認められていない。元のES由来の差と予想される、体重差が遺伝子型に依存することなく大きく変動しており、まずは遺伝的バックグランドを揃える必要があると思われる。SIK2の構造解析を行い、その成果からSIK2機能を修飾する化合物を検索する目的で、SIK2の大量発現系の構築を行った。結果1Lの培養でg単位のSIK2タンパクを発現できる昆虫細胞培養系を構築できた。SIK2活性を阻害することのできる化合物を直接スクリーニグした。Quercetinの誘導体が細胞内でSIK2シグナルを完全に阻害することが明らかとなった。今後、Quercetinの誘導体による脂肪分化やインスリンシグナルへの影響を検討する予定である。
結論
本年度の研究でSIK2の糖尿病や肥満への関与を検索する材料の確立が完了した。今後それぞれから得られる情報を組み合わせて、糖尿病や肥満に対する創薬評価系の確立を目指す。
公開日・更新日
公開日
2007-04-02
更新日
-