IT技術を用いた低コストかつ高品質な大規模臨床試験実施基盤の構築

文献情報

文献番号
200614070A
報告書区分
総括
研究課題名
IT技術を用いた低コストかつ高品質な大規模臨床試験実施基盤の構築
課題番号
H16-創薬-083
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
永井 洋士(財団法人先端医療振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 福島 雅典(京都大学医学部附属病院)
  • 松山 琴音(財団法人先端医療振興財団)
  • 石戸 是亘(財団法人先端医療振興財団)
  • 森 悦朗(東北大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
IT技術を用いた低コストかつ高品質な比較臨床試験(e-トライアル)の実施体制を確立し、医師主導大規模臨床試験の汎用的基盤を構築する。
研究方法
複数の臨床試験をモデルとして、Webを介するデータ収集に適したプロトコル、症例報告書(CRF)、症例登録・追跡システム等を整備し、IT技術を利用した効率的な臨床試験(e-トライアル)の実施体制を構築する。実際の運用を通じてその妥当性を評価し、e-トライアルの実務的な基盤を確立する。また、各種臨床試験文書の作成要領と標準手順書を整備し、医師主導臨床試験の基盤整備に資する。
結果と考察
本研究で最初のモデルとした脳卒中大規模ランダム化比較試験については、プロトコルに沿って臨床試験が進行中である。平成19年3月現在、Web登録・追跡システムを介して1,100例余りの症例が登録され、続々と追跡データが集積中である。また、昨年度から整備を進めていた来院予告・CRF督促メール配信システムおよびデータ問い合わせメール配信システムが本年度に完成した。前者は、被験者の来院を予告するとともに、期限を過ぎても提出されないCRFを督促するための半自動的なメール配信システムである。後者は、Webシステムを介して中央サーバーに蓄積したデータから不整合データや未入力データを検索・抽出し、問合せメッセージを添えた電子メールを自動送信するシステムである。実際、これらのシステムから発せられたメールに返答して多くのCRF提出とデータ修正がなされ、一定の効果があがったと言える。しかしながら、送られたメールへの対応は医師側の要因に依存していると言わざるを得ない。すなわち、本研究においてデータ品質を高めるためのツールが整備されたとは言え、結局は個々の医師にボールは投げ返されている。
一方で、これまでに整備した各種臨床試験文書の作成要領を他の臨床試験にも適用するとともに、プロジェクトマネジメント、データマネジメント、統計解析業務等に関する標準手順書を作成した。これにより、当センターで支援する医師主導臨床試験の品質が向上するとともに、臨床試験の立ち上げから解析に至る一連の作業が定まった。
結論
複数の臨床試験をモデルとして、臨床試験を効率的に運営する上での強力な支援体制が整い、実質的に機能している。すなわち、IT技術を用いた低コストかつ高品質な比較臨床試験の実施体制がほぼ確立したと言ってよい。

公開日・更新日

公開日
2007-04-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200614070B
報告書区分
総合
研究課題名
IT技術を用いた低コストかつ高品質な大規模臨床試験実施基盤の構築
課題番号
H16-創薬-083
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
永井 洋士(財団法人先端医療振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 福島 雅典(京都大学医学部附属病院)
  • 松山 琴音(財団法人先端医療振興財団 )
  • 石戸 是亘(財団法人先端医療振興財団 )
  • 森 悦朗(東北大学医学部)
  • 大門 貴志(財団法人先端医療振興財団 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
IT技術を用いた低コストかつ高品質な比較臨床試験(e-トライアル)の実施体制を確立し、医師主導臨床試験の汎用的基盤を構築する。
研究方法
複数の臨床試験をモデルとして、Webを介するデータ収集に適したプロトコル、症例報告書(CRF)、症例登録・追跡システム等を整備し、IT技術を利用した効率的な臨床試験(e-トライアル)の実施体制を構築する。実際の運用を通じてその妥当性を評価し、e-トライアルの実務的な基盤を確立する。また、各種臨床試験文書の作成要領と標準手順書を整備し、医師主導臨床試験の基盤整備に資する。
結果と考察
本研究で最初のモデルとした脳卒中大規模ランダム化比較試験については、プロトコルに沿って臨床試験が進行中である。平成19年3月現在、Web登録・追跡システムを介して1,100例余りの症例が登録され、続々と追跡データが集積中である。また、これまで整備を進めていた来院予告・CRF督促メール配信システムおよびデータ問い合わせメール配信システムが最終年度に完成した。前者は、被験者の来院を予告するとともに、期限を過ぎても提出されないCRFを督促するための半自動的なメール配信システムである。後者は、Webシステムを介して中央サーバーに蓄積したデータから不整合データや未入力データを検索・抽出し、問合せメールを自動的に送信するシステムである。実際、これらのシステムから発せられたメールに返答して多くのCRF提出とデータ修正がなされ、一定の効果があがったと言える。しかしながら、発せられたメールへの対応は医師側の要因に強く依存していると言わざるを得ない。すなわち、本研究においてデータ品質を高めるためのツールが整備されたとは言え、結局は個々の医師にボールは投げ返されている。
一方で、これまでに整備した各種臨床試験文書の作成要領を他の臨床試験にも適用するとともに、プロジェクトマネジメント、データマネジメント、統計解析業務等に関する標準手順書を作成した。これにより、当センターで支援する医師主導臨床試験の品質が向上するとともに、臨床試験の立ち上げから解析に至る一連の作業が定まった。
結論
複数の臨床試験をモデルとして、臨床試験を効率的に運営する上での強力な支援体制が整い、実質的に機能している。すなわち、IT技術を用いた低コストかつ高品質な比較臨床試験の実施体制がほぼ確立したと言ってよい。

公開日・更新日

公開日
2007-04-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200614070C

成果

専門的・学術的観点からの成果
複数の多施設共同医師主導臨床試験をモデルとして、電子的データ収集・管理技術を利用した合理的なデータマネジメント体制を構築した。とりわけ、本研究で整備したデータ問い合わせメール配信システムは、データベース内に蓄積した不適切データに関するセントラルモニタリングを自動的に行うものである。このようなデータマネジメント体制をとることで、多施設共同臨床試験の効率化と自動化が加速する可能性がある。
臨床的観点からの成果
特記事項なし
ガイドライン等の開発
特記事項なし
その他行政的観点からの成果
特記事項なし
その他のインパクト
特記事項なし

発表件数

原著論文(和文)
4件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
16件
学会発表(国際学会等)
2件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計1件
その他成果(特許の取得)
0件
「試験実施計画書作成支援装置」(特願番号:2004-105261、福島雅典、手良向聡、永井洋士)
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-