文献情報
文献番号
200614069A
報告書区分
総括
研究課題名
機能性精神疾患のハイスループットSNPs解析と機能解析による創薬標的分子の解明
課題番号
H16-創薬-082
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
功刀 浩(国立精神・神経センター)
研究分担者(所属機関)
- 尾崎 紀夫(名古屋大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究はハイスループットな一塩基多型(SNPs)解析を行い、統合失調症や気分障害の発病危険性を高める遺伝子変異を同定し、創薬標的分子を解明することを目的とする。
研究方法
1) ゲノムワイドな関連解析:一次スクリーニングにおいて 強い関連(p<0.003)を示し遺伝子上にあるSNPsについて関連を検証した。さらに、95人の患者群と95人の健常者による独立サンプルを用いて5万SNPsのGene Chip Assayによる二次スクリーニングを行った。
2)候補遺伝子研究: vesicular monoamine transporter 1 (VMAT1) 、Plexin A2、complexin、trace amine受容体4 (TRAR4)、セロトニン7受容体(5HTR7)を候補として統合失調症との関連について詳細に検証した。
3)遺伝子機能解析:精神疾患の脆弱性遺伝子であることを見出した脳由来神経栄養因子(BDNF)と、PACAP (pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide) について細胞生物学的な解析やSNPsと脳画像所見との関連について検討した。
(倫理面への配慮)「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に則し、倫理委員会において承認を受けた上で研究を行った。試料提供者への説明とインフォームド・コンセント、個人情報の厳重な管理(匿名化)などを徹底した。動物実験では倫理委員会において承認されたプロトコルに基づき、動物が受ける苦痛を最小限にした。
2)候補遺伝子研究: vesicular monoamine transporter 1 (VMAT1) 、Plexin A2、complexin、trace amine受容体4 (TRAR4)、セロトニン7受容体(5HTR7)を候補として統合失調症との関連について詳細に検証した。
3)遺伝子機能解析:精神疾患の脆弱性遺伝子であることを見出した脳由来神経栄養因子(BDNF)と、PACAP (pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide) について細胞生物学的な解析やSNPsと脳画像所見との関連について検討した。
(倫理面への配慮)「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に則し、倫理委員会において承認を受けた上で研究を行った。試料提供者への説明とインフォームド・コンセント、個人情報の厳重な管理(匿名化)などを徹底した。動物実験では倫理委員会において承認されたプロトコルに基づき、動物が受ける苦痛を最小限にした。
結果と考察
1) 11の遺伝子が統計的に有意な関連を示した。また、二次スクリーニングも終了し、データ解析作業に入っている。
2) VMAT1と5HTR7が統合失調症と関連することが示唆された。
3) BDNFのストレスホルモンとの相互作用において、グルココルチコイド受容体 (GR)、PLC-γ、p75が重要な役割を果たすことが示唆された。PACAPの遺伝子多型が海馬体積や記憶機能と関連することを見出した。
2) VMAT1と5HTR7が統合失調症と関連することが示唆された。
3) BDNFのストレスホルモンとの相互作用において、グルココルチコイド受容体 (GR)、PLC-γ、p75が重要な役割を果たすことが示唆された。PACAPの遺伝子多型が海馬体積や記憶機能と関連することを見出した。
結論
ゲノムワイドな関連解析を二次スクリーニングまで終了するとともに、候補遺伝子研究などにより、統合失調症と関連する可能性の高い遺伝子を新たに13個同定した。
BDNF関連分子としてGR、PLC-γ、p75などが重要な創薬標的であると考えられる。PACAPは認知機能障害改善薬の重要な標的分子であることが示唆された。
BDNF関連分子としてGR、PLC-γ、p75などが重要な創薬標的であると考えられる。PACAPは認知機能障害改善薬の重要な標的分子であることが示唆された。
公開日・更新日
公開日
2007-04-16
更新日
-