ワクチン創生の新テクノロジーと新規ワクチンの開発

文献情報

文献番号
200614052A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチン創生の新テクノロジーと新規ワクチンの開発
課題番号
H16-創薬-060
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小島 朝人(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所)
  • 高橋 秀宗(国立感染症研究所)
  • 田中 道子(国立感染症研究所)
  • 東 雍(財団法人阪大微生物病研究会)
  • 山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
14,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)我国侵入危険性の高いウエストナイルウイルス(WNV)のワクチン開発が急務である。そこで、緊急に開始した1)WN不活化ワクチン、2)WN VLPサブユニットワクチン研究を継続し、開発が別途実施可能な基盤を整備する。(2)新テクノロジーの開発では、1)CMVプロモーター特許権に拘束されない新規プロモーター研究を、第3世代ワクチンの新テクノロジーとして別途独自に推進する。また、2)JE VLP新ワクチン開発に再発展すべく、我国土着のJEVとWNVの高感度鑑別法の確立に取組む。
研究方法
研究組織の阪大微研会・国立感染研は相互に連携/分担してWNワクチン研究を重点的に実施した。医薬基盤研は独自に新プロモーター開発研究を進めた。JEVとWNVの高感度鑑別法の確立は国立感染研が分担した。
結果と考察
(1)WNワクチン研究:1)不活化ワクチン:ワクチン製造用種WNV株の全塩基配列を決定し、感染防御に最重要なE蛋白遺伝子がNY-99流行株と同一アミノ酸配列であることから、有効性の分子遺伝学的根拠を示した。また、50L規模のWNV培養を試み、製造レベルのWNV増殖が可能であることを示した。2)サブユニットワクチン:WNV粒子形成・分泌機構解析で同定された高効率シグナル連結ベクターで遊離型・凝集型WN VLPが大量産生・分泌され、培養液より調整したVLPは中和抗体を誘導することから、有望な次世代ワクチン抗原であることを示した。(2)新テクノロジー開発:1)新規プロモーター:HHV-6、HHV-7プロモーター(特願2005-261366)活性測定用ベクターを再改変し、樹状細胞でCMV プロモーターと同等または50%の活性を発揮することから、新ワクチンプロモーターへの有用性を示した。2)JEV/WNVの鑑別法:我国土着のJEVとWNVの鑑別法を米国CDCのTaqMan RT-PCR法も参照し、高感度でJEV高特異性のTaqMan RT-PCR法を確立した。以上、WNワクチン開発を別途実施できる基盤整備は完了し、JE VLPワクチン開発へ発展回帰する路も整い、新プロモーターの一層の活性強化方策も示唆された。
結論
不活化/サブユニット両WNワクチンとも別途開発研究できる基盤整備が完了し、JE VLPワクチン開発へ再発展する路が整い、HHVプロモーターのワクチン用プロモーターとしての有用性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2007-04-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200614052B
報告書区分
総合
研究課題名
ワクチン創生の新テクノロジーと新規ワクチンの開発
課題番号
H16-創薬-060
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
小島 朝人(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所)
  • 高橋 秀宗(国立感染症研究所)
  • 田中 道子(国立感染症研究所)
  • 東 雍(財団法人阪大微生物病研究会)
  • 山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)我国侵入高危険性のウエストナイルウイルス(WNV)ワクチン開発が急務のため、1)WN不活化ワクチン、2)WN VLPサブユニットワクチン研究を緊急に開始し、開発が別途実施できる基盤を整備する、(2)前期JE VLP生成技術(官民共同出願済)による新ワクチンをバイオ医薬品製造基準に合致する開発に再発展すべく基盤研究を行う、(3)CMVプロモーター特許権に拘束されない新規ワクチン用プロモーター研究を独自に推進する、ことを目的とした。
研究方法
研究組織の阪大微研会・国立感染研は相互に連携/分担してWNワクチン研究を重点的に実施した。JE VLPワクチン基盤研究も共同で行った。医薬基盤研は独自に新プロモーター開発研究を進めた。
結果と考察
(1)緊急開始したWNワクチン研究において、1)WN不活化ワクチンを大スケールでも試作し、本ワクチンが中和抗体を誘導し、WNVに有効であることを示した。又、製造用種WNV株の全塩基配列解析からその有効性の分子遺伝学的根拠を示した。2)安価/安全なWN VLPサブユニットワクチン研究では、遊離型・凝集型WN VLPの大量産生・分泌ベクター構築に成功し、本VLPが中和抗体誘導能を持つ有効なワクチン抗原であることを示した。以上の結果、WNワクチン開発が別途実施できる基盤整備は完了した。(2)-1)我国土着のJEVとWNVの新たな鑑別法として、JEV特異的遺伝子検出法を確立した。また、WNV中和MAbを樹立してWNV特異的ELISAを確立した。2)BSE以来バイオ医薬品製造で問題のFBS迷入BVDV高感度検出法を確立した。以上、JE VLPサブユニットワクチン開発へ再発展する研究基盤が整備された。(3)CMVプロモーター特許権に拘束されない独自の新規プロモーター(特願2005-261366)研究では、HHV-6・HHV-7 IEプロモーターが血球系細胞で高活性、樹状細胞でもCMVプロモーターに比肩する活性を発揮する事を示し、第3世代ワクチン用プロモーターへの有用性を示唆した。
結論
WN不活化/VLP両ワクチンの中和抗体誘導有効性を示し、別途開発できる基盤整備が完了した。JEV鑑別法・FBS迷入BVDV検出法を確立し、GMP合致JE VLPワクチン開発再発展への研究基盤が整った。HHVプロモーターの樹状細胞での高活性を示し、ワクチン用プロモーター有用性を示唆した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200614052C

成果

専門的・学術的観点からの成果
不活化・VLP両WNワクチンとも感染防御に有効な中和抗体を誘導した。別途開発可能な基盤の整備を完了し、成果は原著発表準備中である。
新JE VLPワクチンのバイオ医薬品国際基準で問題のBVDV検出法、JEV/WNV鑑別法を確立した。一層安全な新JEワクチン早期開発の強い社会的要請に応えられよう。
独自の新規プロモーターを見出した。CMVプロモーター特許権に拘束されずに第3世代ワクチンへ活用できる。
臨床的観点からの成果
本研究事業は臨床研究をカバーしないため、特記事項なし
ガイドライン等の開発
特記事項なし
その他行政的観点からの成果
特記事項なし
その他のインパクト
特許出願・審査継続中
 特願2005-261366:リンパ球・血球系細胞へ遺伝子導入するためのプロモーターおよびその利用方法。
特願2002-229597:日本脳炎抗原及びその製造方法

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計2件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Mutoh E, Ishikawa T, Kojima A, et al.
Japanese encephalitis subunit vaccine composed of virus-like envelope antigen particles purified from serum-free medium of a high-producer J12#26 cell clone.
Vaccine , 22 , 2599-2608  (2004)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-