文献情報
文献番号
200614047A
報告書区分
総括
研究課題名
新規ミスマッチDNA特異的修飾試薬を用いた全ゲノムからの既知および未知の生活習慣病関連遺伝子のSNPs検出システムの開発
課題番号
H16-創薬-054
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
池田 康行(国立循環器病センター研究所・病因部)
研究分担者(所属機関)
- 加藤 秀昭((株)エンプラス研究所)
- 竹中 繁織(九州工業大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
テーラーメイド医療実現の為に、新規ミスマッチDNA特異的修飾試薬(フェロセン化カルボジイミド:FCDI)、温調式オンチップ電気泳動法およびMutS蛋白を用いて、個々人の持つ既知および未知の生活習慣病関連遺伝子のヘテロ接合体部位を簡便に検出できる新しい遺伝子診断システム開発を目的とする。
研究方法
我々の集積しているメタボリックシンドローム診断基準項目である高トリグリセリド血症に関与するリポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子変異をモデル遺伝子として用いて、開発を試みる。
結果と考察
1)FCDIによる合成オリゴ核酸の一塩基ミスマッチ検出反応:FCDIはミスマッチ塩基のチミン(T)やグアニン(G)を特異的に修飾する。FCDIをG-CマッチおよびT-Cミスマッチを含む30 merの二本鎖DNAと反応させ、ミスマッチを含む二本鎖DNAを電気化学的に検出するシステムを構築することができた。
2)温調式オンチップ電気泳動装置を用いて、LPL遺伝子の一塩基置換変異のSSCP法による解析:従来のゲルを用いるSSCP解析は、長時間を必要とするが、温調式オンチップ電気泳動装置によるSSCP法は、極めて短時間に結果を得る事ができる。今回は、LPL遺伝子Ex7のA334T変異をモデル系として、蛍光標識PCR産物を作成し、温度を10度から25度まで変化させ、変異に特異的なピークを至適な温度において得られることを明らかにした。今後、確立した温調式オンチップ電気泳動法にて、他種類のLPL変異が簡便に検出できると期待される。
3) MutS蛋白を用いる網羅的SNP釣り上げ検出システムの開発と新規LPL遺伝子変異の集積:最終目標である一塩基のミスマッチ部位を特異的に検出する系として、His6-MutS蛋白を用いて、数種類のLPL変異(G105R、G188E、A261T、A334T)を用いて実証することができた。今後、確立したMutS法により、他種類のLPL変異が簡便に検出できると期待される。本年度も、LPL機能をゼロにする新規のLPL遺伝子変異の集積(C283S)に成功し、これら集積した変異が網羅的SNP釣り上げ法の開発に役立つことが期待される。
2)温調式オンチップ電気泳動装置を用いて、LPL遺伝子の一塩基置換変異のSSCP法による解析:従来のゲルを用いるSSCP解析は、長時間を必要とするが、温調式オンチップ電気泳動装置によるSSCP法は、極めて短時間に結果を得る事ができる。今回は、LPL遺伝子Ex7のA334T変異をモデル系として、蛍光標識PCR産物を作成し、温度を10度から25度まで変化させ、変異に特異的なピークを至適な温度において得られることを明らかにした。今後、確立した温調式オンチップ電気泳動法にて、他種類のLPL変異が簡便に検出できると期待される。
3) MutS蛋白を用いる網羅的SNP釣り上げ検出システムの開発と新規LPL遺伝子変異の集積:最終目標である一塩基のミスマッチ部位を特異的に検出する系として、His6-MutS蛋白を用いて、数種類のLPL変異(G105R、G188E、A261T、A334T)を用いて実証することができた。今後、確立したMutS法により、他種類のLPL変異が簡便に検出できると期待される。本年度も、LPL機能をゼロにする新規のLPL遺伝子変異の集積(C283S)に成功し、これら集積した変異が網羅的SNP釣り上げ法の開発に役立つことが期待される。
結論
合成に成功したFCDIは、30 mer程度の合成オリゴのミスマッチ部位の検出を可能とした。LPL遺伝子変異の蛍光PCR産物(200-300mer程度)のSSCPを温調式オンチップ電気泳動装置にて、極めて短時間に解析できることが判明した。最終目標である一塩基のミスマッチ部位を特異的に検出できる系として、His6-MutS蛋白が有効であることを実証することができた。
公開日・更新日
公開日
2007-04-16
更新日
-