文献情報
文献番号
200614043A
報告書区分
総括
研究課題名
C型肝炎ウイルスの感染・複製系の確立とその応用による抗ウイルス療法の開発
課題番号
H16-創薬-050
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
脇田 隆字(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
- 溝上 雅史(名古屋市立大学)
- 勝二 郁夫(国立感染症研究所)
- 望月 英典(東レ株式会社医薬研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
HCV感染に対する新たな治療法の開発が望まれているが、HCVの良いウイルス培養系が無いことが妨げになってきた。本研究の目的は、これまでにない高い効率で培養細胞において複製可能なJFH-1株を用いて、全長HCV遺伝子の培養細胞におけるウイルスRNA複製系および感染系を確立し、新たな抗ウイルス戦略の構築に供することである。
研究方法
1.HCVRNA複製に関与する細胞性因子の同定
2.HCV感染複製に関与するウイルス側因子の同定
3.全長ウイルス複製系および感染系を用いた抗ウイルス薬の探索および抗ウイルス療法の開発
4.三次元培養系を用いた全長ウイルスゲノムHCVレプリコン細胞の培養とHCV RNA複製および感染性の評価
5.HCVレプリコンを用いた薬剤感受性の検討
6.Huh7細胞を用いたレポーターレプリコン評価系の最適化
2.HCV感染複製に関与するウイルス側因子の同定
3.全長ウイルス複製系および感染系を用いた抗ウイルス薬の探索および抗ウイルス療法の開発
4.三次元培養系を用いた全長ウイルスゲノムHCVレプリコン細胞の培養とHCV RNA複製および感染性の評価
5.HCVレプリコンを用いた薬剤感受性の検討
6.Huh7細胞を用いたレポーターレプリコン評価系の最適化
結果と考察
1. HCV RNA高複製期の複製複合体分画に存在する宿主因子として分子シャペロンTRiCのサブユニットCCT5等を同定した。
2. JFH-1株の培養細胞における効率の良い複製と感染性ウイルス粒子の産生にはNS3ヘリカーゼおよびNS5Bから3ユX領域が重要である。
3. JFH-1株のウイルス感染細胞を用いた新たな抗ウイルス薬のスクリーニングにより、候補化合物を見いだした。さらにスクリーニングを進め、薬効メカニズムの解析を行う。
4.三次元培養系を用いた全長ウイルスゲノムHCVレプリコン細胞の培養では、効率の良い感染性粒子形成は観察できなかった。
5.HCVレプリコン細胞をRBVで長期処理することによりRBV耐性細胞を樹立した。耐性細胞中のHCV 遺伝子の変異をNS3、NS4B、NS5A、NS5B領域に各1カ所検出した。
6.Huh7細胞を用いたレポーターレプリコン評価系を最適して各種薬剤の抗ウイルス活性を検出した。
2. JFH-1株の培養細胞における効率の良い複製と感染性ウイルス粒子の産生にはNS3ヘリカーゼおよびNS5Bから3ユX領域が重要である。
3. JFH-1株のウイルス感染細胞を用いた新たな抗ウイルス薬のスクリーニングにより、候補化合物を見いだした。さらにスクリーニングを進め、薬効メカニズムの解析を行う。
4.三次元培養系を用いた全長ウイルスゲノムHCVレプリコン細胞の培養では、効率の良い感染性粒子形成は観察できなかった。
5.HCVレプリコン細胞をRBVで長期処理することによりRBV耐性細胞を樹立した。耐性細胞中のHCV 遺伝子の変異をNS3、NS4B、NS5A、NS5B領域に各1カ所検出した。
6.Huh7細胞を用いたレポーターレプリコン評価系を最適して各種薬剤の抗ウイルス活性を検出した。
結論
今年度の研究により、ウイルスの感染複製増殖に関与する宿主及びウイルス因子を同定した。さらに新たな抗ウイルス薬の候補分子を同定した。RBVに対する耐性獲得にはNS5A及びNS5B領域の点変異が重要である。レポーターレプリコンにより、網羅的な抗HCV薬のスクリーニングに適応できることを示した。以上の研究成果を生かしてさらにC型肝炎の治療法開発を進めていく事が重要である。
公開日・更新日
公開日
2007-04-12
更新日
-