文献情報
文献番号
200614038A
報告書区分
総括
研究課題名
生物由来製品のウイルス安全性に関する基盤研究
課題番号
H16-創薬-044
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
内田 恵理子(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
- 山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所)
- 宮澤 宏(徳島文理大学香川薬学部)
- 小紫 嘉一(日本ケミカルリサーチ㈱)
- 宮本 誠二(財団法人化学及血清療法研究所)
- 猶塚 正明(持田製薬㈱)
- 村田 充弘(JSR㈱)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
生物由来製品のウイルス安全性に関しては、その製造に用いる原材料も含めたウイルス混入のリスク、ウイルススクリーニングや製造工程でのリスク低減措置、投与方法等を含めて総合的にリスク評価を行う必要性がある。本研究は、生物由来製品のウイルス安全性確保のための基盤技術開発及びウイルスリスクの評価を適切に行うための基盤技術開発を行い、ウイルスリスクの評価法の提示やリスクを低減化するための基本方策を提示することを目的とする。
研究方法
11)生物由来製品のウイルスの高感度検出法の開発、2)ウイルス安全性評価試験としての核酸増幅検査(NAT)の確立・評価に関する研究、3)ウイルス不活化技術の開発、4)ウイルスの不活化・除去工程のクリアランス能の評価に関する研究を分担して実施した。
結果と考察
1-1)ウイルス検出の高感度化を目的とするポリエチレンイミン(PEI)磁気ビーズによるウイルス濃縮法のヒト肝炎ウイルスへの適用を検討し、ヒト血漿試料中のHAV、HCVの濃縮・高感度検出に有用であることを明らかにした。また、PEI磁気ビーズの改良を目指して均一磁性粒子を作成したが、従来の不均一磁性粒子と比べて十分なウイルス濃縮性能は得られなかった。1-2)ウイルスゲノムの高感度検出法として、ウイルスの遺伝子配列情報を利用した新プローブキャプチャー法の開発を検討し、ブロッキング試薬添加により多種ゲノム混入時に目的ゲノムのみを検出できる系を確立した。2)NATの確立・評価に関する研究として、入手が困難なウイルス検体の代用となる合成ウイルスRNAの保存安定性を示した。また、パルボウイルスB19の全てのジェノタイプが検出可能なNAT試験法を開発した。3)パーフルオロオクタン酸のウイルス不活化効果を検討し、エンベロープウイルスに対して高い不活化効果を示し、生物薬品のウイルス不活化工程としての有用性を明らかにした。5)ウイルスの不活化・除去能の評価法に関する研究として、ウシ原料由来の生物薬品の製造工程中のろ過工程(ナノフィルトレーション)及びクロマトグラフィー工程のウイルスクリアランス能を評価し、高いウイルス安全性が確保されていることを明らかにした。また、製造工程で、器具等のウイルス不活化のために行われている希水酸化ナトリウム溶液のウイルス不活化効果を確認した。
結論
生物由来製品のウイルス安全性確保のための基盤となる技術開発に関して進展が見られた。
公開日・更新日
公開日
2007-04-12
更新日
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