文献情報
文献番号
200614012A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝子改変動物を用いた病態関連因子の解明と創薬への応用に関する研究
課題番号
H16-創薬-014
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
田上 昭人(国立成育医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 輿水 崇鏡(京都大学大学院薬学研究科)
- 松七五三 仁(アステラス製薬(株)御幸が丘研究センター)
- 小嶋 正三(キッセイ薬品工業株式会社研究本部)
- 生垣 一郎(旭化成ファーマ(株)研究センター )
- 澤田 照夫(日本オルガノン株式会社学術情報部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
16,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
G蛋白質共役型受容体(α1アドレナリン受容体、バゾプレッシン受容体)の遺伝子改変動物の作製と疾患動物モデルを作出し、各受容体の生体内での生理、病態機能の評価と受容体特異的薬物の薬効評価を行う。
研究方法
α1アドレナリン受容体およびバソプレッシン受容体ノックアウトマウスを作成し解析を行う。さらに病態モデルを作製し、受容体特異的薬物の薬物効果・副作用について解析を行う。
結果と考察
α1アドレナリン受容体について各サブタイプ欠損マウスおよび二重欠損マウス、三重欠損マウスの作成に成功した。作成した三重欠損マウスを用いて循環機能、生殖能力を解析したところ、血圧の維持や昇圧反応にはα1DおよびB受容体が重要な働きをしており、生殖能力における射精機能にはα1A受容体が重要な働きをしていることが明らかになった。
バゾプレッシン受容体変異マウスについて各サブタイプ欠損マウス(V1a, V1b欠損マウス)および及びV1ab二重欠損マウスの作成および解析を行った。バソプレッシンの大動脈狭窄後の心肥大に及ぼす効果については、V1a受容体が関与していることが明らかとなった。このことは、この受容体拮抗薬の開発により、肥大を起こす心疾患の予防薬治療薬として開発されることが期待できる。また、糖代謝、タンパク質代謝、脂質代謝にバソプレッシンが重要な働きをしていることが明らかとなり、バソプレッシン受容体拮抗薬特にV1a受容体拮抗薬では、代謝に及ぼす影響が考えられた。
バソプレッシンが耐糖能に影響を及ぼすことについては、V1b受容体を介してインスリン感受性を抑制し、V1a受容体を介してインスリン感受性を亢進していることが示唆された。
内分泌系に及ぼすバソプレッシンの影響としては、脳下垂体のACTHやコルチコステロン以外にアルドステロン等の副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモン分泌にも関与していることが明らかとなった。
バゾプレッシン受容体変異マウスについて各サブタイプ欠損マウス(V1a, V1b欠損マウス)および及びV1ab二重欠損マウスの作成および解析を行った。バソプレッシンの大動脈狭窄後の心肥大に及ぼす効果については、V1a受容体が関与していることが明らかとなった。このことは、この受容体拮抗薬の開発により、肥大を起こす心疾患の予防薬治療薬として開発されることが期待できる。また、糖代謝、タンパク質代謝、脂質代謝にバソプレッシンが重要な働きをしていることが明らかとなり、バソプレッシン受容体拮抗薬特にV1a受容体拮抗薬では、代謝に及ぼす影響が考えられた。
バソプレッシンが耐糖能に影響を及ぼすことについては、V1b受容体を介してインスリン感受性を抑制し、V1a受容体を介してインスリン感受性を亢進していることが示唆された。
内分泌系に及ぼすバソプレッシンの影響としては、脳下垂体のACTHやコルチコステロン以外にアルドステロン等の副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモン分泌にも関与していることが明らかとなった。
結論
作成した遺伝子改変動物の解析により、新たな受容体の機能・薬物の効果が解明でき、ゲノム創薬において有用となる。
公開日・更新日
公開日
2007-04-03
更新日
-