文献情報
文献番号
200614009A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオフォトニクスを利用した細胞組織障害を視る、測る、解析する技術の開発
課題番号
H16-創薬-010
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
- 藤村 久子(田辺製薬株式会社)
- 小林 薫(三菱ウェルファーマ株式会社)
- 古田 寿昭(東邦大学理学部)
- 大幡 久之(昭和大学薬学部)
- 今泉 祐治(名古屋市立大学薬学部)
- 重信 弘毅(東邦大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 政策創薬総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
11,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
疾病治療用医薬品の創薬において最も重要な基盤技術の一つに,疾患に伴って生じる細胞組織障害を解析する技術があげられる.本研究は,細胞機能に係る生体内パラメータに対する感受性蛍光プローブを開発・利用することにより,細胞組織障害を簡便かつ定量的に解析する方法を確立し,創薬シーズ探索のためのハイスループットスクリーニング,医薬品候補化合物のセレクション,タンパク質性医薬品の品質(生物活性)評価等へ応用することを目指して実施した.
研究方法
研究は,(1)細胞組織障害を解析するためのバイオフォトニクスプローブの開発(2)バイオフォトニクスプローブ使用に最適化した解析機器の開発(3)開発されたプローブおよび解析機器の生体への応用技術の開発,の3つの視点から行った.
結果と考察
バイオフォトニクスプローブの開発: ダブルFRET細胞組織障害解析法を用いて小胞体ストレスによる細胞障害の解析を行い,単一細胞における2種の反応の活性化状況の解析に成功した.また,その他の細胞障害解析用プローブの開発,検討を行なった.さらに,ケージドペプチド核酸やケージドジアシルグリセロール等により遺伝子の機能発現の光制御,もしくはタンパク質の機能制御に成功した.
解析系の開発: 内皮依存的な弛緩反応における弛緩応答,カルシウム応答およびNO産生の評価系を確立した.また,ペースメーカー細胞の再構築によりK+チャネル関連細胞機能障害解析細胞系を開発した.さらに心筋由来H9c2細胞系と蛍光プローブにより心筋ミトコンドリア機能を検出する系を確立した.
応用技術の開発: 遺伝子発現および脂肪酸特異的蛍光プローブの集積を指標として、肝細胞における薬物の脂肪蓄積誘発性のプロファイリング/スクリーニング系を構築した.また,組換えタンパク質生産細胞のミトコンドリア膜電位を評価することで,細胞のタンパク質産生能力を比較・推定できる可能性を示した.
解析系の開発: 内皮依存的な弛緩反応における弛緩応答,カルシウム応答およびNO産生の評価系を確立した.また,ペースメーカー細胞の再構築によりK+チャネル関連細胞機能障害解析細胞系を開発した.さらに心筋由来H9c2細胞系と蛍光プローブにより心筋ミトコンドリア機能を検出する系を確立した.
応用技術の開発: 遺伝子発現および脂肪酸特異的蛍光プローブの集積を指標として、肝細胞における薬物の脂肪蓄積誘発性のプロファイリング/スクリーニング系を構築した.また,組換えタンパク質生産細胞のミトコンドリア膜電位を評価することで,細胞のタンパク質産生能力を比較・推定できる可能性を示した.
結論
バイオフォトニクスプローブを開発・利用することにより,各種細胞組織障害を簡便かつ定量的に解析する方法の開発に成功した.開発した技術はいずれも創薬支援技術として非常に有用である.
公開日・更新日
公開日
2007-04-16
更新日
-