文献情報
文献番号
200606041A
報告書区分
総括
研究課題名
違法ドラッグの迅速検査法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H18-特別-021
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
中澤 裕之(星薬科大学薬品分析化学教室)
研究分担者(所属機関)
- 鈴木 勉(星薬科大学薬品毒性学教室)
- 斉藤 貢一(星薬科大学薬品分析化学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
違法ドラッグは構造的にフェネチルアミン系、ピペラジン系およびトリプタミン系に分類され、幻覚などの精神症状を引き起こす.デザイナードラッグとも呼ばれるように、ある化合物が規制されれば、それを化学的に修飾し、新たな化合物が合成され、規制から逃れようとする.このように次々と合成される化合物を標準品がなくても、構造式が推定できれば定性的な測定が可能と考えられるLC/TOFMSを違法ドラッグの迅速検査に応用することを本研究の目的とした.
研究方法
1)現在所持している標品を用いて、LC/TOFMSによる精密質量を測定し、LCの分析条件を検討する.2)ラットの血液・尿に標品を添加して試料前処理法を検討し、分析バリデーションを取得する.3)実際にラットに当該薬物を投与して得られた血液・尿をLC/TOFMSで分析して薬物動態を明らかにする.4)得られた情報から、LC/TOFMSによる体系的な違法ドラッグの分析手法を構築し、ヒト生体試料の分析に応用する.
結果と考察
LCの最適条件を検討したところ、保持時間は、MDMAが約7.1分、TFMPPが約10.1分であり、定量限界は、MDMAが0.1 ng/mL 、TFMPPが0.05 ng/mL であった.検量線は、相関係数0.98 (MDMA 濃度範囲:0.2-50 ng/mL)、0.97 (TFMPP 濃度範囲:0.1-50 ng/mL)と良好な直線性を示した.ラット尿中に添加した回収試験では低用量(10 ng/mL)、高用量(50 ng/mL)共に、80%の回収率が得られた.実際にMDMAおよびTFMPPを腹腔内投与したラット尿中の違法ドラッグの定性試験を行ったところ、 MDMAおよびTFMPPの未変化体のプロトン化分子と合致した精密質量が得られ、その保持時間は標準品と一致した.
結論
LC/TOFMSで測定した結果、MDMAまたはTFMPPを投与したラットの24時間尿において、MDMAおよびTFMPPのプロトン化分子が確認できた.薬物のプロトン化分子の精密質量より、薬物の定性が可能であると考えられるため、未知の薬物を特定することも可能であると示唆された.本研究により得られた研究成果は、違法ドラッグの実用的な迅速検査に寄与するものと期待される.
公開日・更新日
公開日
2015-06-17
更新日
-