わが国の病院におけるIT化の現状と課題に関する研究

文献情報

文献番号
200606037A
報告書区分
総括
研究課題名
わが国の病院におけるIT化の現状と課題に関する研究
課題番号
H18-特別-指定-041
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 弘良(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 今村 知明(東京大学大学院医学系研究科)
  • 康永 秀生(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
14,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機関におけるIT化の現状を把握すると共にIT化へのニーズ等を把握し、今後のIT化戦略策定のための基礎資料を作成する。
研究方法
医療機関におけるIT活用状況について全国の300床以上の病院には悉皆調査、300床未満の病院および診療所については抽出調査を行った。調査方法は自記式調査票の郵送配布・郵送回収によった。また全国の医師を対象として医療IT化に関するインターネット・アンケート調査を実施した。
結果と考察
電子カルテ導入率は、500床以上病院で36.6%、100床未満病院では6.8%であり、病床数が多いほど導入率が高い傾向が認められた。無床診療所で10.5%であった。オーダリングシステム導入率も同様の傾向であった。電子カルテを利用しない理由として、「費用が高いから」、「医師の業務負担が増えると思うから」が多かった。IT化によるメリットについては、すでにITを導入済みの施設ほどそれを強く実感している傾向が見られた。電子カルテの導入効果に関して,「患者・家族への説明」「患者の待ち時間短縮」「検査業務の効率化」「薬剤業務の効率化」「病院内の医療情報共有」「医療安全管理」「省スペース化」「医学研究への利用」の8項目について,導入済施設の医師群の方が「改善する」と答えた比率が有意に高かった。
結論
今後、医療IT化の有効性に関するエビデンスを蓄積し、さらに医療機関のコスト負担の軽減を検討する必要があろう。今後もさらに医療IT化の普及が重要であるとの考えは多くの医師の共通認識であると言える。

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200606037C

成果

専門的・学術的観点からの成果
医療機関におけるIT化の現状およびIT化へのニーズ等を把握することができた。IT化によるメリットについては、すでにITを導入済みの施設ほどそれを強く実感している傾向が見られ、比較的大きな病院の職員は、多くの点で医療IT化の有用性を評価していることが判明した。
臨床的観点からの成果
電子カルテの導入効果に関して,「患者・家族への説明」「患者の待ち時間短縮」「検査業務の効率化」「薬剤業務の効率化」「病院内の医療情報共有」「医療安全管理」「省スペース化」「医学研究への利用」の8項目について,導入済施設の医師群(n=267)の方が「改善する」と答えた比率が有意に高かった。今後もさらに医療IT化の普及が重要であるとの考えは,多くの医師の共通認識であると言えることが判明した。
ガイドライン等の開発
ガイドライン等の開発はない。
その他行政的観点からの成果
本研究の成果は、新グランドデザインの策定に活用ならびに今後の医療分野のIT化の政策立案に反映される予定である。
その他のインパクト
特にない。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
2017-05-26