臨床研究の倫理等に関する特別研究について

文献情報

文献番号
200606033A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研究の倫理等に関する特別研究について
課題番号
H18-特別-指定-037
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 雄一郎(横浜市立大学医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 岩田 太(上智大学法学部)
  • 我妻 学(首都大学東京法科大学院)
  • 山口 斉昭(日本大学商学部)
  • 藤澤 由和(新潟医療福祉大学)
  • 児玉 安司(東京大学大学院医学系研究科)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学)
  • 福田 治彦(国立がんセンターがん対策情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、平成19年度に実施する「臨床研究に関する倫理指針」の見直しのための基礎
調査と海外実地調査による予備的な検討を行うことである。
 近年における科学技術の進展に伴い、臨床研究の重要性は一段と増しているといえる。臨床研究
の主な目的は、医療における疾病の予防方法、診断方法及び治療方法の改善、疾病原因、及び病態
の理解、並びに患者の生活の質の向上にあり、最善であると認められた予防方法、診断方法、及び
治療方法であっても、その有効性、効率性、利便性及び質に関する臨床研究を通じて絶えず再検証
される必要があることは言うまでもない。
 ただし、こうした臨床研究は被験者の人権や健康に係わる側面を有していることから、臨床研究に
携わるすべての関係者が遵守すべき事項を定めることは、臨床研究の適正な推進が図られるうえで
重要な課題である。そこで、本研究においては、医学系臨床研究において何よりも守られねばなら
ない個人の尊厳や人権の尊重などについて検討する。
研究方法
 第一には、各国における臨床研究をめぐる文献調査を実施するとともに、米国、英国、豪国、
独国、仏国における臨床研究にかかる規制枠組みの調査を行う。また第二には、とりわけ、被験者
保護(根拠となる被験者保護理念、インフォームド・コンセント書式、IRBなどに関して)を
担当する国の部局の有無およびその大要につき調査を行なう。また第三として、臨床研究の際に
被験者に害が生じた場合の補償制度について調査を行なう。これら各国における臨床研究をめぐる
最新の情報を素材として、わが国においてあるべき臨床研究の制度および指針につき提言を行なう
ことが、本研究の最終的な達成目標となる。
結果と考察
 本研究課題においては、イギリス、フランス(二つ)オーストラリア、ドイツおよびアメリカ合衆国についての検討がなされた。
結論
 わが国において、臨床研究は、治験とその他の臨床研究に分けられ、後者の中に、まるごとの人を対象とするもの、データおよび物質のみを対象とするものが入ることになる。しかし、治験とまるのままの人を対象とする研究との分離、あるいは、ヒトゲノム、疫学、臨床研究という指針の構造など、臨床研究が円滑に進むことと、被験者がきちんと保護されることとの両方が満足されるために、現行制度でいいのかどうかに関しては、今後とも議論が必要であろう。少なくとも、まるのままの人を対象とする研究において、被験者の健康被害に対する補償は、治験とそうでないものとによらず、必要と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-10-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200606033C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究により、各国の基本的な枠組みについては概ね明らかになったものと考える。しかし、
本研究は特別研究により大変短時間になされたものであるから、積み残した点も多い。それらに
ついては、各研究者においてさらに調査を進めたいと考えている。
臨床的観点からの成果
現在のところ特になし
ガイドライン等の開発
現在のところ特になし
その他行政的観点からの成果
現在のところ特になし
その他のインパクト
現在のところ特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
-