文献情報
文献番号
200606031A
報告書区分
総括
研究課題名
新歯科医師臨床研修制度の評価に関する調査研究
課題番号
H18-特別-指定-035
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
俣木 志朗(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 新田 浩(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 )
- 平田 創一郎(東京歯科大学社会歯科学研究室)
- 秋山 仁志(日本歯科大学附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
新歯科医師臨床研修制度の第一期生の研修修了時期にあたり、新制度の有効性、効率性、研修歯科医の動向等を調査・評価し、今後の本制度の改善に向けた基礎的データを収集する。
研究方法
臨床研修歯科医、単独型・管理型臨床研修施設、協力型研修施設および臨床研修プログラムを対象にしてアンケート調査をWEB上で行った。調査項目は、研修内容・研修効果、研修歯科医のメンタルヘルス、研修歯科医の分布状況、中断・休止・再開事例の検討である。さらに、歯科大学・歯学部附属病院のない府県における臨床研修施設13施設の指導歯科医12名および研修歯科医11名に対する聞き取り調査を行った。
結果と考察
新制度の歯科医師の資質向上への貢献度については、概ね8割以上から肯定的評価の回答を得た。一方、研修歯科医の健康問題が起きるリスクはほぼ標準的な全国レベルであり、研修歯科医のストレスは歯科大学病院(単独型)では少なく、一般病院歯科(単独型)で高い傾向を示した。また、研修歯科医の4割以上が「抑うつ状態」である可能性が示された。新制度の実施率は99.0%と高率を示したが、研修歯科医の都道府県ごとの分布には偏りが認められ、歯科大学・大学歯学部がある都道府県で多い傾向があった。聞き取り調査では、臨床研修の実施内容については、多少の問題点はあるものの、研修歯科医、指導歯科医の双方から概ね充実しているとの回答を得た。一方、研修内容、評価方法、待遇面、制度、補助金、地理的要因に関して多くの問題点が指摘された。
結論
1.新制度は歯科医の資質向上に貢献することが明らかとなった。2.新歯科医師として、また新社会人としての一歩を踏み出す研修歯科医が、精神的にも身体的にも安心して研修に専念できる環境を提供することは、歯科医療を受ける国民にとっても非常に重要な事である。3.歯科医師臨床研修の実施率は99.0%、充足率(研修歯科医数/募集総数)は69.8%であり、研修歯科医の受け入れキャパシティはおおむね充足されている。4.歯科大学・歯学部附属病院がない府県の医科大学・医学部附属病院、病院歯科、歯科診療所での臨床研修の実施状況として、臨床研修の実施内容については充実していることが明らかとなった。一方、指導側からは臨床研修の期間、歯科大学・歯学部から遠方である、あるいは地方であるといった地理的問題、補助金の問題が挙げられ、研修歯科医側からは大学から離れるため、情報伝達の問題点が挙げられた。
公開日・更新日
公開日
2015-05-26
更新日
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