文献情報
文献番号
200606022A
報告書区分
総括
研究課題名
病原体等の保管及び病原体等情報の一元集約化のあり方に関する研究
課題番号
H18-特別-指定-015
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
御手洗 聡(結核予防会結核研究所抗酸菌レファレンスセンター細菌検査科)
研究分担者(所属機関)
- 大角 晃弘(結核予防会結核研究所研究部)
- 堀場 昌英(独立行政法人国立病院機構東埼玉病院呼吸器内科)
- 杉山 和良(国立感染症研究所バイオセーフティ管理室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
感染症法の改正にともなう結核菌取扱基準の適正化に鑑み、結核菌及び付随する情報が失われることを防止すべく、多剤耐性菌を中心とする結核菌の保管及び病原体等情報の一元集約化を行う場合のあり方について検討する。
研究方法
結核菌集約管理ネットワークを組織するにあたって、構成要素として想定される地方衛生研究所、保健所、病院及び検査センター等について病原体・情報管理に関する調査を行う。具体的には、病原体保管・運搬等の基準を遵守するために必要な設備及び技術の状況を調査する。これらの情報をもとに、結核菌の一元管理を目指す際に必要となるインフラについて分析し、可能なネットワーク構成を提示する。
結核菌の運搬に関しては、現在の万国郵便条約に基づく輸送システムの問題点と解決策について検討する。また、一般に世界保健機関によって規定されている輸送方法上の安全管理や輸送コストに関連した検討も実施する。
結核菌の運搬に関しては、現在の万国郵便条約に基づく輸送システムの問題点と解決策について検討する。また、一般に世界保健機関によって規定されている輸送方法上の安全管理や輸送コストに関連した検討も実施する。
結果と考察
現状日本国内において結核菌の検査や保管を実施している施設を数的、機能的に階層化して病院・検査センターを一次施設、高機能結核診療施設と地方衛生研究所を二次レファレンス施設、結核研究所と国立感染症研究所を三次施設とするピラミッド型のネットワークを構成することで、情報管理上も効果的なシステムを構成し得ることを示した。
この際、英国の結核菌情報集約システムである Mycobacterium Surveillance Networkを参照した電子情報管理システムが情報の共有化を容易にする。しかし、実際の運用にあたっては検査・保管施設の整備、人的資源にも配慮した適切なレファレンス施設の選択、結核菌株運搬方法の標準化とトレーニング等の実施が必要である。さらに多剤耐性結核菌の効率的な運搬方法について検討する必要がある。
この際、英国の結核菌情報集約システムである Mycobacterium Surveillance Networkを参照した電子情報管理システムが情報の共有化を容易にする。しかし、実際の運用にあたっては検査・保管施設の整備、人的資源にも配慮した適切なレファレンス施設の選択、結核菌株運搬方法の標準化とトレーニング等の実施が必要である。さらに多剤耐性結核菌の効率的な運搬方法について検討する必要がある。
結論
結核菌の一元的管理について、現状での組織構成の可能性と各構成要素レベルでの問題点、及び全体としての実践上の問題点を検討した。また、結核菌の情報集約に必要なデータベースアプリケーションを試作することにより、効率的な結核菌と疫学情報の統合の可能を示した。さらに結核菌の輸送にかかる問題点を明らかにし、安全に輸送可能な技術的検討を実施した上で、ネットワーク構成に関連して可能な解決策を提示した。このネットワークシステムを実現することにより、疫学的に重要な結核菌の情報を集中管理することが可能となる。
公開日・更新日
公開日
2009-04-08
更新日
-