健康づくりを支援する環境とその整備状況の評価手法に関する研究

文献情報

文献番号
200501227A
報告書区分
総括
研究課題名
健康づくりを支援する環境とその整備状況の評価手法に関する研究
課題番号
H17-健康-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
下光 輝一(東京医科大学衛生学公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 川久保 清(共立女子大学家政学部)
  • 武見 ゆかり(女子栄養大学栄養学部食生態学研究室)
  • 角田 透(杏林大学医学部衛生学公衆衛生学)
  • 中村 正和(大阪府立健康科学センター)
  • 村山 祐司(筑波大学大学院生命環境科学研究科)
  • 吉池 信男(国立健康・栄養研究所健康・栄養調査研究部)
  • 井上 茂(東京医科大学衛生学公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,445,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、健康づくりを支援するための環境要因とその整備状況を評価する手法を開発することである。ここで環境とは、人々が自ら進んで健康づくりを行なう際の支援環境であり、本研究では身体活動・運動、食習慣、飲酒、喫煙の4つの健康行動に関する環境を対象とする。研究は3年計画で行い、最終的に地域における環境評価方法を提示する。
研究方法
初年度は、先行研究、世界各国のガイドライン、既存の生活習慣調査などを検討して、環境評価手法を整理した。一部の分野では、評価質問紙を作成して住民調査を行った。また、国民栄養調査の結果を分析し、生活習慣の地域差を検討した。さらに、地理情報システムを環境評価に活用する試みとして、事例的に身体活動・運動関連の環境評価を試みた。
結果と考察
身体活動・運動分野では歩行と関連する自宅周辺の環境、運動場所へのアクセス等を評価する質問紙を作成して住民調査を行った。その結果、質問紙の信頼性が確認され、地域ごとの環境の違いや、環境と身体活動の関連も明らかとなった。食習慣分野では過去20年間の研究を中心に食環境の指標を検討し、①食物へのアクセス、②情報へのアクセス、③その他(制度、体制など)という分類を基本に食環境を整理した。飲酒分野では各国のガイドラインを整理した。飲酒環境として①情報の環境、②物理的環境、③意識維持のための環境に整理し、個人を対象とした質問紙を試作した。喫煙分野ではWHO、米国、あるいは各種喫煙調査資料より、国際比較も可能な環境評価指標を抽出した。たばこ対策は、防煙、分煙、禁煙の3領域について包括的な取り組みを行う必要があり、環境評価もこれらの領域ごとに行なうことが必要と考えられた。生活習慣の地域差の検討では、性・年齢別、地域別に、食習慣と運動習慣の経年変化を検討した。肥満者の推移、経済状況の推移、あるいは生活習慣の地域差などから様々な環境要因の影響が推測された。地理情報システムの活用では歩行支援環境の評価指標となりうるデータを検索し、「道路率」「一般道度歩道設置率」「公園面積率」などの指標化を行った。
結論
身体活動・運動、食習慣、飲酒、喫煙の各分野において情報収集を行い、健康づくり支援環境の評価方法を整理した。また、生活習慣の地域差、地理情報システムの活用について検討した。来年度は評価方法を具体化し、地域評価、住民評価を行う。

公開日・更新日

公開日
2006-04-18
更新日
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