疾病予防サービスの制度に関する研究

文献情報

文献番号
200501220A
報告書区分
総括
研究課題名
疾病予防サービスの制度に関する研究
課題番号
H17-健康-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
永井 良三(東京大学大学院医学系研究科・東京大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 大江 和彦(東京大学大学院医学系研究科)
  • 福井 次矢(聖路加国際病院)
  • 奥 真也(東京大学大学院医学系研究科)
  • 林 同文(東京大学大学院医学系研究科)
  • 水嶋 春朔(国立保健医療科学院)
  • 古井 祐司(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
29,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の医療においては、限られた資源の中で、最大限国民が良質な医療を受けられるようにすることが重要であり、疾患発症前の予防医療はその視点から重要である。本研究では、健康課題に応じた健診や疾病予防事業全体のあり方を検討することを目的とした。
研究方法
はじめに、文献調査により、米国における予防医療の実施・評価体制およびUSPSTFに関する研究を行った。翻訳文についてはAHRQの許諾を得る手続きを経た。次に、わが国における基本的健康診査の検診項目のエビデンスに関する研究を行うための研究グループを形成し、系統的なエビデンスの検索、重要文献の選択と評価および検診項目のアウトカムに及ぼす効果に関するエビデンスの有無などを整理した。一方、健診・問診、レセプトデータに基づき健診のあり方を検討するために、保険者(健保)の5年間の健診・問診の結果およびレセプトデータを整備し、生活習慣病の発症に関連する検査及び問診項目に基づき、罹患リスクの分析を行った。さらに、レセプトデータに基づき、被保険者個人ごとに主な生活習慣病8疾患に罹患している人の医療費を算出した上で、医療費リスクの分析を行った。また、文献や関連法令、審議会資料に基づき、疾病予防事業の現状および課題を整理した上で、保険者、被扶養者に対するアンケート・ヒアリング調査、健診・問診・レセプトデータの分析結果に基づき、疾病予防事業のあり方を検討した。特に、健診受診率の向上及び事後指導の促進に向けた課題を整理した。
結果と考察
国外における予防医療の質的向上を図るための取り組みが整理され、この考え方に基づき、国内の基本的健康診査の検診項目に関する文献を系統的に整理・研究する取り組みが試行されたが、十分な文献・データがない状況であり、今後は健診など予防医療の評価などに必要な研究設計とデータ収集の必要性が示された。一方、健診・問診が健康度の把握だけではなく、生活習慣病の効果的な予防事業に活用し得ることが示唆され、同時にデータ分析上の課題を整理した。次に、国内で実施されている健診や事後指導など疾病予防事業については、実施指針等の整備が課題として挙げられた。さらに、疾病予防事業の今後のあり方の検討を行った結果、事業評価と連動した義務化・インセンティブ制の導入などを含め、健診受診率の向上及び事後指導の促進のための課題が整理され、同時にデータ整備上の課題が整理された。
結論
今後、予防医療の質向上を図り、健診をはじめとした効果的な予防を実施していく視点から、保健事業の実施スキームの概要が示され、健診データの整備上の課題が整理された。

公開日・更新日

公開日
2006-04-18
更新日
-