地域における健康危機発生時の関連機関との連携及び人員・物資の搬送等に関する研究

文献情報

文献番号
200501208A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における健康危機発生時の関連機関との連携及び人員・物資の搬送等に関する研究
課題番号
H17-健康-018
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
舟橋 信(財団法人未来工学研究所技術・国際関係研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 郡山 一明(財団法人救急振興財団 救急救命九州研修所)
  • 岡本 拓司(東京大学大学院総合文化研究科)
  • 古川 勝久(独立行政法人科学技術振興機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では、健康危機発生時において、保健所、消防、警察等が効果的に連携することで、情報の共有、対応の迅速化、現場の混乱の回避を図ることを検討するとともに、特に人員、物資の搬送についての具体的な連携方策を検討することを目的としている。
関連諸機関について検討する際には、健康に関係する事象への対応という観点から、特に保健所を中心に検討を実施している。
研究方法
 関係諸機関が連携する場合、それぞれの機関が、対応すべき危機について、ある程度の共通前提を共有しなければ、効果的な連携のあり方を設定することが不可能である。そのため、今年度は、まず、過去の健康危機事象についての事例検討から、健康危機についてのカテゴリーの構築を実施した。
 次いで、構築した健康危機カテゴリー2つを選びケーススタディを実施した。
 さらに、連携の観点からモデル的な保健所の危機管理マニュアル等を分析した。
結果と考察
 関係諸機関の健康危機管理対応を検討するにあたり、被害が地域全体に及ぶか否か、原因が容易に特定できるか否か、の2つの観点を軸として設定し、以下の4つの危機カテゴリーを構築した。
○危機カテゴリーⅠ
 被害が地域限定的で、原因がすぐに特定できる事案。例:鉄道事故、航空機事故。
○危機カテゴリーⅡ
 被害が広域に広がり、原因は明らかである事案。例:自然災害(地震、水害)。
○危機カテゴリーⅢ
 地域限定的な被害であるが、原因がすぐには特定できない事案。例:和歌山カレー事件、クリプトスポリジウム、サリン等 ケミカルテロ。
○危機カテゴリーⅣ
 原因がすぐに特定できず、かつ被害が広範囲にわたる事案。例:感染症、バイオテロ。

上記のうち今年度は、危機カテゴリーⅡとⅢに分類される典型的な危機事例として新潟中越地震、地下鉄サリン事件を採用することで連携の課題を抽出した。
結論
連携を行うにあたっての情報通信のあり方については、防災無線についての課題の確認および携帯電話等についての検討の必要性を確認した。
連携するそれぞれの行政機関としての権限規定を踏まえた上で、連携形態および業務の時系列分析のフレームワークを構築した。
消防、警察は、危機カテゴリーごとにある程度共通した業務を実施することになるが、保健所については、危機カテゴリーⅢ、Ⅳについて疫学的な観点から調査をするなど、カテゴリーごとに機能的な違いがあることを確認した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-18
更新日
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