地域保健行政の再構築に関する研究

文献情報

文献番号
200501200A
報告書区分
総括
研究課題名
地域保健行政の再構築に関する研究
課題番号
H16-健康-042
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
谷 修一(国際医療福祉大学)
研究分担者(所属機関)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学政策科学分野)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生学)
  • 寺岡 加代(東京医科歯科大学歯科公衆衛生学)
  • 玉川 淳(三重大学行政法学、法政策学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
14,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域保健提供体制の根源的な問題や健康危機管理等の新たな業務にいかに有効に対処するかについて、保健所を中心に地域保健業務の権限が誰に付与されているか、また効果的かつ迅速に地域保健サービスの提供のためにはどのような組織・体制がよいのかを検討することが目的である。
研究方法
保健所に対して業務権限の所在に関する調査及び歯科保健医療域での健康危機管理体制に関する調査を行い、得られた回答を分析し問題点を同定した。また、米国モデル州法健康危機管理法を分析しわが国の参考とした。
結果と考察
政令市保健所業務の性質ごとに決定主体は、対人保健サービスの健康危機管理関連業務や対物保健サービスについては半数以上が委任上の決議権者が保健所長ないしは専決権者が保健所長であった。都道府県保健所では健康危機管理関連業務とされたのは対物業務で全体の3割程度、対人業務では2割程度であった。さらに危機管理機能を念頭に置いた歯科保健医療体制は全国的に未整備で、特に政令都市・特別区をもたない都道府県に所在する保健所での遅れが目立った。危機意識および緊急度の低さがその主たる理由であると考えられる。体制面の整備を考えるとき、わが国の公衆衛生上の健康危機管理体制を整備していく上で、事例発生の検知、情報の取り扱い、プライバシーの保護、対応計画の整備、知事の権限、行政の責任と免責、情報の公開などの点で、米国モデル州法健康危機管理法は大きな示唆を与えるものであった。健康危機管理においては、適切な初動対応が必要なことから、権限行使の条件について機動的な対応が可能となる体制整備が必要である。
結論
健康危機管理体制強化のための制度的な見直し、政策策定・分析、管理・交渉技能の向上などの観点からの人材育成ならびに歯科領域のように危急時に絶対数が不足している人材の平常からの効率的確保が重要である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-28
更新日
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