職域における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究

文献情報

文献番号
200501193A
報告書区分
総括
研究課題名
職域における健康診査の効率的なプロトコールに関する研究
課題番号
H17-健康-010
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学医学部 公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 正人(松下電器産業株式会社南門真健康管理室)
  • 浜口 伝博(日本リージャ株式会社)
  • 鎗田圭一郎(鎗田労働衛生コンサルト事務所)
  • 吉田 勝美(聖マリアンナ医科大学予防医学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
28,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究ではこれまで厚生労働科学研究の枠組みの中で行われてきた研究成果を受け、開発されたプロトコール等のフィールドでの実証研究とそのための基盤システムの作成を行うものである。
研究方法
平成17年度研究として具体的には以下の3つの研究を行った。
1.標準的プロトコールが現場において受け入れ可能なものであるかどうかを検証する目的で、国内の企業を対象に健康管理の実態についてアンケート調査を行った。
2.多施設における実践を、現場の健康管理担当者の関与のもとで分析するためのOLAPを用いた情報システムを作成した。
3.諸外国の疾病管理プログラムの内容について文献的に検証し、我が国における健康づくりプログラムにその概念と方法論を適用するための課題を整理した。
結果と考察
今回の研究では以下のような知見が得られた。
1.多くの事業所において生活習慣病を対象とした健診と保健指導が行われているが、問診項目や評価方法についてその標準化が必要である。また、現行の健診項目の中にはその有効性・必要性に疑問があるものもあり、その整理が必要である。
2.今回開発した健康管理総合データベースを用いることで、異なった事業所で行われている健康管理活動のデータを一元的に集約し、それを対象事業所の健康管理担当者(産業医、保健師など)が多次元的に分析を行い、さらに他の事業所の類似プログラムとの比較などを通してプログラムの有効性を検証できる。
3.近年、欧米で注目されている疾病管理(Disease Management)はわが国の健康管理事業においても活用可能である。ただし、その多くはすでに労働安全衛生法の枠組みの中で、我が国の多くの事業所で行われてきている。したがって、今後の我が国における健康管理事業のあり方を考えるためには、疾病管理のフレームを用いて、これまで我が国で行われてきた種々の健康管理活動を再評価する作業が必要である。
4.健康づくりの効果の評価のためには、保険者単位で傷病構造を把握し、予防活動の効果を推計する枠組みが必要である。我が国独自の診断群分類であるDPCはそのようなツールとしても活用可能であることが、諸外国における診断群分類との比較に基づいて示された。
結論
本研究で検証した成果をもとに現在国レベルで検討されている健康管理のための標準プロトコールの有効性の評価と継続的な精緻化を行うことが可能になると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2006-05-17
更新日
-