疾病予防サービスに係わるエビデンス構築のための大規模コホート共同研究

文献情報

文献番号
200501191A
報告書区分
総括
研究課題名
疾病予防サービスに係わるエビデンス構築のための大規模コホート共同研究
課題番号
H17-健康-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
上島 弘嗣(滋賀医科大学 社会医学講座福祉保健医学)
研究分担者(所属機関)
  • 今井 潤(東北大学大学院 薬学研究科 医療薬学講座 臨床薬学分野)
  • 磯 博康(大阪大学大学院 医学系研究科 社会環境医学講座 公衆衛生学)
  • 玉腰 暁子(国立長寿医療センター病院 第2外来総合診療科)
  • 大橋 靖雄(東京大学 医学系研究科 生物統計/疫学・予防保健学)
  • 清原 裕(九州大学大学院 医学研究院 環境医学)
  • 岡山 明(国立循環器病センター 循環器病予防検診部)
  • 岡村 智教(滋賀医科大学 社会医学講座福祉保健医学)
  • 斎藤 重幸(札幌医科大学 医学部 内科学第二講座)
  • 辻 一郎(東北大学大学院 医学系研究科 社会医学講座 公衆衛生学分野)
  • 中川 秀昭(金沢医科大学 健康増進予防医学)
  • 児玉 和紀(財団法人 放射線影響研究所 疫学部)
  • 中山 健夫(京都大学大学院 医学系研究科 社会健康医学専攻系 健康情報学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
65,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、長期間コホート研究を行っている複数集団のデータを個人ベースで統合し、従来、サンプルサイズの関係で分析ができなかった性別、年代別の生活習慣病の危険因子の健康影響を定量的に評価し、健康診査項目の疾病発症や死亡の予測要因としての有効性を明らかにすることである。
研究方法
研究手法としては、既存データから健診項目や問診項目の有効性を評価する既存コホート共同研究と、各集団を前向きに継続追跡する共同研究を同時に実施し、迅速な結果の提示と新たなエビデンスの構築を目指した。さらに、各コホートの既存公表文献についてレビューを実施した。
結果と考察
本年度は、既存コホート共同研究に係わるデータ収集と共通測定項目の設定に関する検討を行った。統合対象コホートは13(端野・壮瞥、大崎、大迫、YKK、小矢部、滋賀県国保、吹田、信楽、放射線影響研究所、久山町、JACC、NIPPON DATA80・90)であり、今年度、データ統合が完了したのは11であった。データ統合に際しては、多様なファイル形式のデータを統一的に処理するために統計パッケージSAS ver 8.2を使用した。SASデータセットを作成後、各コホートについて観察人年の算出などのデータ編集を行った。7コホートについては観察開始日、死亡日など対象者の転帰が日付で入力されていたため、各対象者の人年を新たに計算した。なお、観察が継続中で観察終了日が不明のものについては各コホートの担当者に確認した後、観察終了日の確定を行った。総死亡の有無、BMIおよびコホートを示すIDなどについては新規に作成した。また、各コホートの変数名を統一するとともに、喫煙、飲酒、飲酒量(合)、尿検査所見、服薬歴に関してはカテゴリ対応を統一した。以上の作業の後、各コホートデータの多くに存在し、本研究班の目的に照らし合わせて必要と考えられる共通検査・問診項目を抽出した。総人年は975,054人年(男性:394,745人年、女性:580,309人年)であり、統合データベースの利用可能性を検討する目的で、共通項目の一部(主に検診検査項目)について、エントリ時年齢・所属コホートのみを調整したハザード比をCoxの比例ハザードモデルにより推定した。
結論
本研究により性別、年代別の細かい危険度の差を検出可能なことが検証できた。合わせて共通測定項目の導入についても検討し、各コホートで実施する準備を整えた。

公開日・更新日

公開日
2006-04-18
更新日
-