生活習慣病予防のための効果的な栄養教育手法に関する研究

文献情報

文献番号
200501190A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病予防のための効果的な栄養教育手法に関する研究
課題番号
H17-健康-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山本 茂(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 由田 克士(国立健康・栄養研究所)
  • 伊達 ちぐさ(奈良女子大学生活環境学部)
  • 早渕 仁美(福岡女子大学人間環境学部)
  • 須藤 紀子(国立保健医療科学院)
  • 大山 珠美(宮城学園女子大学栄養食品学科)
  • 吉池 信男(国立健康・栄養研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
11,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生活習慣病の予防を目的として,軽度リスク者を対象とした効果的な栄養教育手法を開発し,その有効性を検証することを検討する。特に行動変容に主眼をおいて,持続可能な栄養教育プログラムの開発,地域や職域における栄養教育を実践する栄養士・管理栄養士等が活用できるマニュアルを完成する。
研究方法
7市町村保健センターが糖尿病予防をどのように行っているかの現状を把握するためにアンケートをとった。また、徳島県某町において100名あまりの糖尿病ハイリスク者に介入を行い、どのようなときに効果があるかを解析した。一方、糖尿病の一次予防及びハイリスク者に対する栄養教育手法の効果について、国内外の系統的レビューを行い、医学中央雑誌による国内文献としては3件、Medlineにより2000年以降のレビュー論文を検索(一次スクリーニング;46件)し、タイトル及び抄録の目視により10件を抽出し、その内容の整理を行った。
結果と考察
地域、職域等における栄養教育手法マニュアルの策定に向けて、地域の実際の経験と文献調査の2つの角度から次年度に実施する案を作成した。先ず、最も重要な基本として 「現状評価、現状評価に基づいた計画 (Plan) 、実施 (Do)、結果の評価 (See)」を確実に実施すること、特に結果の評価を必ず行うこととした。参加者数を高め、継続性を高めるために、「魅力ある入口」および「魅力ある中身」について検討を行ってきた。利用する記録ノートなどは、しっかりとした用紙で美しく見える物として、実施者の意気込みをみせることとした。管理栄養士の人手不足が生じるのは明らかであることから、地域の在宅管理栄養士の協力を得ることとした。
結論
地域、職域等における栄養教育手法マニュアルの策定に向けて、市町村を対象とした調査実施、既存マニュアルの検討、文献レビュー、小規模な栄養教育介入等を実施し、以下の結果を得た。
①市町村で利用可能な信頼度の高いマニュアルがなく、市町村間の栄養教育手法のバラツキが大きく、また結果の評価がない事業、漫然とした計画・実施が多いことがわかった。②多くの参加者を得るために「魅力的な窓口」、ドロップアウトを防ぐために「魅力ある内容」とする必要性がわかった。③小規模な介入研究の結果から、本人のやる気、保健センター・医療機関・家族や仲間との関わりが揃ったときに行動変容の成功率が高いことがわかった。④糖尿病の一次予防及びハイリスク者(耐糖能異常)への効果的な栄養教育介入手法について国内外の文献レビューを進めた。⑤人的パワーの不足を補うためには在宅栄養士の活用が必要であることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2006-06-02
更新日
-