健康日本21こころの健康づくりの目標達成のための休養・睡眠のあり方に関する根拠に基づく研究

文献情報

文献番号
200501188A
報告書区分
総括
研究課題名
健康日本21こころの健康づくりの目標達成のための休養・睡眠のあり方に関する根拠に基づく研究
課題番号
H17-健康-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
内山 真(国立精神・神経センター精神保健研究所精神生理部)
研究分担者(所属機関)
  • 大川匡子(滋賀医科大学医学部精神医学講座)
  • 清水徹男(秋田大学医学部精神科学講座)
  • 大井田隆(日本大学医学部公衆衛生学教室)
  • 伊藤洋(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
  • 千葉茂(旭川医科大学医学部精神医学教室)
  • 井上雄一((財)神経研究所代々木睡眠クリニック)
  • 内村直尚(久留米大学医学部神経精神科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成6年に健康づくりのための休養指針が示されたが、その後の10年において国民の生活スタイルは益々多様化し、夜間勤務者や交代勤務者の増加などから、これまでの指針では対応できない点が増え、国民の生活に応じたより実行性のある休養・睡眠プログラムの必要性が指摘されている。本研究においては、こころの健康づくりのための休養・睡眠のあり方を以下の点から検討し、現代の社会状況に即した実効性のある休養プログラムおよび指針を開発し、研究成果の迅速な普及啓発を通じて、健康日本21こころの健康づくりの目標値を戦略的に達成することを目的とする。
研究方法
休養・睡眠不足、睡眠障害がこころの健康に及ぼす影響についての最新の科学的知見について系統的レビューを行うとともに、この面に関する我が国における疫学調査データの解析を行った。さらに、不眠症患者や睡眠不足症候群患者などの休養不足に関するハイリスク者についての連続例検討を通じて、休養の不足がこころの健康に与える影響を検討する。休養とストレス、こころの健康の関連を生物学的に検討するため、ハイリスク者における視床下部-下垂体-副腎皮質型の機能を検討する。ITを用いて研究成果を迅速に国民に還元する。こうした科学的根拠および国民の望む休養のあり方を統合して、休養指針の見直し、休養プログラムの作成を行う。
結果と考察
公務員調査から、成人における睡眠時間の短さとストレスの関連について明らかになった。中高校生における不眠の頻度が日本で初めて明らかにされた。ストレスと休養に他の精神要因に関する質問事項を含む質問紙を作成し、職域調査を実施した。うつ病における睡眠障害に関しレビューを行い、うつ病に不眠が高率で合併する。しかし、うつ病における不眠治療の標準化がなされていない、などの問題点が抽出された。睡眠時無呼吸症候群におけるうつ病の合併について検討し、12.1%にうつ病が合併することが明らかになった。医師における検討では、睡眠習慣に関しては専門科の違いが存在し、科別の対応が必要と考えられた。
結論
研究進行と平行した成果の普及啓発およびインタラクティブなITを利用した情報提供と休養・こころの健康づくりに関する国民のcuriosityを高める戦略を推進する準備が整いつつある。ホームページなどに研究成果を平易にまとめて公開し、迅速な啓発普及と、発表成果に対する国民の反応を見ていく。

公開日・更新日

公開日
2006-05-08
更新日
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