生物由来の医療機器に関わる国際的調和に関する研究-埋設型医療機器素材の安全性評価の再評価と国際調和-

文献情報

文献番号
200501145A
報告書区分
総括
研究課題名
生物由来の医療機器に関わる国際的調和に関する研究-埋設型医療機器素材の安全性評価の再評価と国際調和-
課題番号
H17-医薬-019
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
児玉 幸夫(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター動物管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 高木 篤也(国立医薬品食品衛生研究所安全生成物試験研究センター毒性部)
  • 大室 弘美(独立行政法人医薬品医療機器総合機構・信頼性保証部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
整形外科、循環器、口腔外科領域等において、人体に埋設される生体由来を含む種々の人工材料の安全性に関する従来の動物実験の問題点を見直すこと、および、可能性としての「細菌共存環境」がげっ歯類特有の異物好発がん性の誘因であることを検証する。これにより、今後の埋設物安全性評価の正確性の向上が期待される。
研究方法
無菌マウスに医療用埋設材料の移植手術を実施し、無菌環境下あるいは非無菌環境下で長期飼育を行い、その発癌率を比較する。発癌高感受性のp53遺伝子欠失無菌マウスを作製し、同様に埋植手術を行い、その発癌率を比較する。埋設材料の有害性に関する調査研究のため、内外の文献を収集整理するとともに、医療用埋設材料の安全性試験に関する情報収集を行う。
結果と考察
埋設材料の安全性評価と無菌性の関連性の検討のため、無菌動物実験に必要なアイソレーターラックを含む動物施設の設計と設置を行った。また、IQI(ICR系マウスを無菌化した系統)に高分子素材としてポリエチレンシート及びガラス片の2種類の素材の埋植手術を実施した。さらに、埋植による腫瘍好発系としてp53遺伝子欠失マウスの無菌動物の作製を開始した。IARCによる埋め込み材料の発がん性分類の情報について整理するとともに、実際に、種々の無菌マウスを用いて発がん性試験を行った情報及びp53マウスでの異物発癌試験の情報等を収集整理した。また、ISO10993(医療機器の生物学的評価方法)及び医療機器Good Laboratory Practice(「医療機器の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」平成17年厚生労働省令第37号)に定められた基準) が適用される試験についての実施方法ガイドライン等に示されている安全性試験に関する情報収集を行った。
結論
医療用埋設物安全性評価の正確性の向上のため、マウスの長期無菌飼育試験の基盤を確立し、医療素材の移植実験を開始するとともに、医療素材の移植実験に関する情報を整理した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-20
更新日
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