植込み型又はインプラント医療機器の不具合情報の収集及び安全性情報の提供のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200501139A
報告書区分
総括
研究課題名
植込み型又はインプラント医療機器の不具合情報の収集及び安全性情報の提供のあり方に関する研究
課題番号
H17-医薬-028
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
勝呂 徹(東邦大学医学部整形外科)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 孝志(京都大学整形外科)
  • 佛淵 孝夫(佐賀大学整形外科)
  • 原田 義忠(千葉大学整形外科)
  • 糸満 盛憲(北里大学整形外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
優れた臨床効果の反面に見られる不具合発生の実態を知るために情報収集とその発生頻度、および今後安全情報提供のあり方を検討することである。不具合の原因を追及し、インプラントの持つ宿命であるのかインプラントを受ける側に問題があるのかを検討することでそれらの結果を踏まえ、最終的に臨床使用された植込み型あるいはインプラント型医療用具の安全性確認と不具合情報の提供制度の確立を目指すものである。
研究方法
植込み型又はインプラント医療機器の使用実態調査を実施し、収集された不具合例の分析を行う。基本情報の収集のために分担研究者相互の連携をとり、各地区における医療者側からの埋め込み型インプラント医療機器の不具合例の実態を収集する。基本的にはアンケート調査方式をとり、協力を頂ける施設にその不具合の詳細情報を登録して頂き、分析を行い、不具合発生因子の検討を行う。
結果と考察
整形外科では、様々な種類の骨接合材料や人工関節を生体内埋め込み型インプラントとして用い、基礎疾患の治療を行い、優れた臨床成績をおさめている。しかし、人工関節の使用症例は増加の一歩を辿っているが、臨床的不具合の正式な報告は少ない。これは未だ不具合発生の問題点の認識と報告システムの認識に乏しいことによる物である。一方骨接合材料を適性に使用したにも関わらず骨接合材料の不具合、患者への健康被害が生ずることがあり、製造業者から不具合情報が報告されることはあるが、大規模にまとまった詳細な検討を報告したものはない。また、骨接合材料を受ける側の問題、使用する医師側の問題などの詳細な検討を報告したものもない。骨接合材料の不具合、患者への健康被害の情報を収集、分析し、共有することでより安全に使用することができ、医師、患者にとって非常に有益であると考えられる。人工関節および骨接合材料の問題、患者側の問題、あるいは使用する医師の材料選択の問題、手術手技の問題など、原因を知り得ることができると推測される。そして、この結果から、人工関節及び骨接合材料を使用する安全性の確立、不具合情報の共有を確立させることは、社会への貢献度が大きいと考えられる。
結論
3年計画の1年目なので、平成17年度の結果から結論を導き出すことは難しいが、現在までの調査により、不具合に代表的な骨接合インプラント(プレート、スクリュー等)の折損および変形等があることが判明している。今後、調査を継続することで安全性および不具合情報共有を確立することは多大な有益を医師、患者にもたらすことと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2006-08-01
更新日
-