医療機器分野におけるリスクマネジメント手法に関する研究

文献情報

文献番号
200501131A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器分野におけるリスクマネジメント手法に関する研究
課題番号
H16-医薬-008
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
桜井 靖久(東京女子医科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 正人(日本医療機器産業連合会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ISO14971、GHTFの基本要件等において総論的な概念導入されている医療機器のリスク管理手法について、具体的な個別機器へのあてはめ、承認申請時点において満たしておくべき事項等の検討を行い、企業、行政、医療側等における医療のリスク管理の実効性に寄与することを目的とする。
研究方法
企業側、審査側、医療側から研究協力者を依頼して、計4回の会合をもち、また、海外資料など6点を参照し、それぞれの立場から医療機器のライフサイクルを通してのリスク管理について討議した。本年度は具体的機器十数点を選び出し、そのハザード分析を中心としたマトリックス表を作成した。
結果と考察
i) IEC60601-1第3版、ISO14971:2000(2006年に第2版の予定等)においてハザード、危険状態 (hazardous situation)等の内容が増し、リスク管理への関心が国際的にも増大しつつある。
ii) ICタグを医薬品につけてリスク管理へ役立てる試みが始まっているが、電磁干渉や企業の協力等に問題がある。
iii)医療機器をつくる企業のみならず、ユーザーとしての医療側からのユースエラー、人間工学的視点等に関連した経験や意見が重要であり、医療機器のライフサイクルを通してのリスク管理という概念が実効性ある医療のリスク管理に結びつく。
iv) ハザード、マトリックスの作成は、医療機器の具体的リスク管理を考える上で多いに役立つガイダンスとなり得る。
結論
本研究において指摘された、医療機器分野におけるリスク管理の留意点は、医療機器の設計・製作・使用等の各面における医療の安全性に対して、実効的に貢献するところが大きい。国際的に見ても医療機器のリスク管理は大きな趨勢となっており、次年の最終年度には具体的ガイドラインを提示しうるようにしたい。

公開日・更新日

公開日
2006-05-25
更新日
-