医療機器の性能基準設定に関する研究

文献情報

文献番号
200501124A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の性能基準設定に関する研究
課題番号
H16-医薬-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
梶谷 文彦(川崎医療短期大学 臨床工学科)
研究分担者(所属機関)
  • 古川 孝(日本医療機器産業連合会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機器の機械(装置)及び器具(材料)が有すべき「性能」に関する概念を明確化し、しかもその概念は社会的に容認される科学的根拠に裏付けられた定義を明確にしつつ、「医療機器の性能基準の設定に関するガイドライン(案)」を確立することにある。
研究方法
医療機器の「性能」に関する考え方については、国際的にも確立されておらず、個々の企業で対応しているのが実状である。初年度の結果を受けて、医療機器の機械(装置)及び器具(材料)等から5機種を取り上げ、それらの性能について具体的概念の確立に向けて事例検討を進めた。そして、国内外で求められる性能及び性能基準に対する考え方等の情報を収集し、国内企業へのアンケート調査から考え方の整理を図り、概念の問題点・見直すべき点等の抽出を行い、検討を加えた。
結果と考察
「企業アンケート調査」から、①薬事法に謳う、品質、有効性及び安全性の担保が医療機器として必要であり、「性能」は「有効性」を担保するものである。②品質や安全性に関してはJISやIECが成熟しており、品質保証に係る厚生労働省令等及び基本要件等にて規制としても整備されてきて、遵守されるシステムが確立しつつある。③基本的な性能に関して、「医療機器の性能基準」を設けることにより、「有効性」を担保する具体的な方策を前進させることに貢献できる。 との結果が得られた。研究目的が「医療機器の性能基準の設定に関するガイドライン(案)」の確立であることから、それぞれの立場で「性能」をとらえるのではなく、マクロな視点で共通化する「性能」という概念をとらえていく必要がある。「企業アンケート調査」から「性能に関する規制」に関しては、改正薬事法での枠組みが概ね妥当だとする意見が大勢を占めるとともに、その規制範囲は必要最低限にとどめ、あとは市場原理に委ねるとする意見が多かった。
結論
5機種を取り上げ、それらの性能について具体的概念の確立に向けて事例検討を進め、性能の定義を検討し、企業でも機械(装置)系と器具(材料)系で性能のとらえ方が異なることが明らかになった。「企業アンケート調査」の中で、「性能に関する規制」に関して、改正薬事法での枠組みが概ね妥当だとする意見が大勢を占めるとともに、その規制範囲は必要最低限にとどめ、あとは市場原理に委ねるとする意見が多いことが分かった。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
-