日本薬局方等医薬品基準の国際ハーモナイゼーションに関する研究

文献情報

文献番号
200501114A
報告書区分
総括
研究課題名
日本薬局方等医薬品基準の国際ハーモナイゼーションに関する研究
課題番号
H16-医薬-012
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 小嶋 茂雄(医薬品医療機器総合機構)
  • 早川 堯夫(医薬品医療機器総合機構)
  • 関田 節子(徳島文理大学 香川薬学部)
  • 吉岡 澄江(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 中村 洋(東京理科大学 薬学部)
  • 松田 芳久(神戸薬科大学)
  • 青柳 伸男(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 宮田 直樹(名古屋市立大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,260,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本薬局方に収載されている試験法や医薬品各条規格などについて、改正事項の円滑な実施や今後の改正のための提言をまとめ、国際調和と技術水準の向上を目指した日本薬局方の改正を推進する。
研究方法
第15改正日本薬局方(JP15)に新規収載される事項、ならびに、今後の国際調和で課題となる事項に関連する課題を抽出し、調査研究ならびに実験的検証を行った。
結果と考察
1.化学合成医薬品関連:JP15に収載される「製薬用水の品質管理」に関連して、全国の10工場を訪問・調査して膜法による製薬用水製造システムの運用データを精査し、注射用水として信頼できる水が安定して製造されていることを確認した;2.生物医薬品関連:分子量を求めるたん白質医薬品の理化学試験法について整理し、各条の試験として利用する場合の注意点、問題点等をまとめた;3.生薬関連:調製加工したブシの試験法が未整備である中国、韓国、ヴェトナムからの要請を受け、詳細な情報交換を行った;4.医薬品添加剤関連:JPの現状では医薬品添加剤の添加物に関する解釈が極めて曖昧である点を指摘し、改正案を提示した;5.理化学試験法関連:近赤外分光法(NIRS)を用いたシリカゲルの表面構造解析を行い、クロマトグラフィー用充填剤の特性解析法としてのNIRSの有用性を示した;6.物性試験法関連:JP15に収載される「粉体の流動性」に関連して、剪断セル法を測定原理とする新装置を用いた実験を行い、新装置ならびに剪断セル法の有用性を明らかにした;7.製剤試験法関連:溶出試験結果の変動要因としてビーカーの形状を考慮する必要があることを指摘した。JP15で採用される溶出試験判定法において適否判定に用いられるQ値の設定法に関する案を提示した;8.名称関連:JP15で採用される新しいJPname命名法を確定し、ルールを文書化した。新命名法を用いて、全てのJP15収載品目を命名し、名称が変更になる品目を選別した。
結論
第15改正日本薬局方における新規収載事項(製薬用水の品質管理、粉体の流動性)および改正事項(溶出試験判定基準、医薬品の命名法)の円滑な実施を目指した検討、ならびに、新しい理化学試験法に関する提案、医薬品添加剤の添加物の取り扱いに関する対応策の提言を行った。さらに、生薬分野ではアジア諸国の局方整備のための支援活動を行った。

公開日・更新日

公開日
2006-04-25
更新日
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