臨床事例を活用した実践的薬学教育研修システムの確立とその評価

文献情報

文献番号
200501108A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床事例を活用した実践的薬学教育研修システムの確立とその評価
課題番号
H17-医薬-079
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 康文(東京大学大学院薬学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 大谷 壽一(東京大学大学院薬学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,513,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療現場において勤務する薬剤師の資質を向上させるためには、多数の教育用臨床事例を素材として、基礎薬学的知識を薬物治療の現場に活かすための医療薬学的スキルを、体系的かつリアリティをもって教育することが望ましい。そこで本研究においては、インターネットなどを活用して、教育的事例素材の効果的な収集、その評価・体系化・加工を行うとともに、作成した教育用臨床事例を用いた薬剤師研修のための方法論を確立することを目的とした。また、それを実行・評価することも併せて目的とした。
研究方法
教育的事例素材は主としてインターネット上の Web サイトから収集するとともに、一部は薬剤師会や薬局チェーンなどの協力を得てオフラインで収集した。これらの事例素材と、収集した関連エビデンス等をもとに、研究者らが年間 53 の教育的臨床事例を作成した。作成した事例は、インターネット、紙媒体、研修などにおいて広く教育研修に供した。また、これらの情報交換に必要なインターネットシステムを整備構築した。
結果と考察
本研究の遂行により、1) 医療現場からの事例素材の効果的な収集法の構築とその実践、2) 事例の体系的分類・解析と教育的臨床事例への加工、ならびに 3) 教育的臨床事例の提供による、薬剤師の臨床薬学的スキルの教育、というサイクルが確立し、薬剤師の臨床薬学的スキルを向上させるための教育サイクルを構築することが出来た。このシステムは、事例の素材を体系的に収集し、これを教育用臨床事例に加工して薬剤師の資質向上や薬剤師業務の質の向上に役立てることができる点で、従来型の教育と比較して、より実践的かつリアリティに富んだ教育コンテンツを作出、提供できるシステムであると考えられる。
結論
1) 医療現場からの事例素材の効果的な収集法の構築とその実践、2) 事例の体系的分類・解析と教育的臨床事例への加工、ならびに 3) 教育的臨床事例の提供による、薬剤師の臨床薬学的スキルの教育、というサイクルを確立し、教育的臨床事例に基づく薬剤師の教育研修システムを構築することが出来た。本システムは、医療現場と大学との密接な連携に基づく効果的な教育システムである。

公開日・更新日

公開日
2006-04-27
更新日
-