薬物の分析鑑定法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200501084A
報告書区分
総括
研究課題名
薬物の分析鑑定法の開発に関する研究
課題番号
H16-医薬-030
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
平井 俊樹(財団法人日本薬剤師研修センター)
研究分担者(所属機関)
  • 長野 哲雄(東京大学大学院薬学研究科)
  • 山田 英之(九州大学大学院薬学研究院)
  • 合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 木内 文之(医薬基盤研究所)
  • 関田 節子(徳島文理大学香川薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
27,869,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬物及び原料物質の国際的な流通ルートの変動、インターネット利用による錠剤型麻薬の乱用拡大等多発している薬物問題に化学的な面から的確に対処できる課題をとりあげ、乱用防止啓発活動や捜査及び薬物原料規制対策等に役立つことを目的とする。
研究方法
覚せい剤、錠剤型麻薬、大麻及びケシについてのプロファイリングを化学的分析及び遺伝子解析法を用いて実施した。錠剤中の覚せい剤と麻薬との識別を可能とするキットの開発や標準品の合成法及び新規規制麻薬鑑定法の検討を行った。覚せい剤のプロファイリングにおいては、NMRによる水素安定同位体比測定法について検討した。マレーシアから法化学者を招き、覚せい剤結晶押収品のデータ交換法についてテストした。生体試料中のMBDBや幻覚性成分を含有する植物についての高感度分析法を検討した。
結果と考察
錠剤型麻薬の成分分析結果から欧米より含有量の高い錠剤の多いことが明らかとなり、日本向け錠剤が密造されている可能性が推定された。覚せい剤の水素安定同位体比測定の結果、合成法による差は無く、窒素・炭素の場合と同様原料による差が顕著であった。MDA類に選択性の高い免疫化学的試験キット用抗体の開発に成功した。体毛中の薬物分析では、覚せい剤同様MDMA及びMBDBも体毛に移行していることを確認した。また、新規麻薬BZPの高感度分離・定量法を確立した。DMTやカチノン等の成分を含有する植物が市場に流通していることを確認した。けしの新規外国産種子の外観及び成分を調査し、データベースとしてまとめた。ドラッグ型大麻には特異的なPCRマーカーがあることを見出した。
結論
水素を加えた窒素・炭素安定同位体比測定による三次元的な覚せい剤のプロファイリングは、原料エフェドリンのより詳細な起源解明を可能にし、原料物質の横流れ防止に有効な対策となることが期待できる。MDA類と覚せい剤識別用ポリクロナール抗体の完成は、捜査現場の要求に対応できるものであり、早急なキット化が望まれる。すね毛で頭髪に匹敵する濃度の覚せい剤が検出されたことは捜査現場での使用歴推定に有用な情報であった。幻覚性成分を含むことが知られている植物がドラッグ市場で流通していることがわかり、薬物乱用の多様化に注意していかなければならない。また、近隣諸国とは捜査情報とともに化学的な情報の交換に努め、覚せい剤等の密造原料の不正利用を阻止していくことが重要である。









公開日・更新日

公開日
2017-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)