文献情報
文献番号
200501074A
報告書区分
総括
研究課題名
患者及び国民に対する医薬品安全性情報の提供のあり方に関する研究
課題番号
H17-医薬-029
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
久保 鈴子(財団法人日本薬剤師研修センター 事業部)
研究分担者(所属機関)
- 山元 俊憲(昭和大学薬学部)
- 桑原 健(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
厚生労働省が推進している医療用医薬品の患者・国民向け情報「患者向医薬品ガイド(医薬品ガイド)」について内容の評価と作成基準を検討した。さらに有益度の検証、患者・国民の医療における役割の明確化、多剤併用時の重篤副作用の早期発見システムの検証等を行い、患者の安全確保を目指した安全対策への貢献を目的とした。
研究方法
1)製造販売業者が作成した医薬品ガイドを、厚生労働省の通知に則って必要な情報が記載されているか、臨床面で適切な表現がなされているか等について評価した。併せて、医薬品ガイドの有益度に関する予備調査を、主に薬剤師を対象に行った。
2)患者・国民の医療に於ける役割の明確化と段階的教育啓発のあり方について、看護学校生と患者および医師を対象に予備調査を行った。
3)多剤併用時における自覚症状用語から副作用発見状況の把握と本システムの運用上の有益性について、システムの検証と、医薬品服用経験のある国民を対象に調査した。
2)患者・国民の医療に於ける役割の明確化と段階的教育啓発のあり方について、看護学校生と患者および医師を対象に予備調査を行った。
3)多剤併用時における自覚症状用語から副作用発見状況の把握と本システムの運用上の有益性について、システムの検証と、医薬品服用経験のある国民を対象に調査した。
結果と考察
1)医薬品ガイドの評価等は、本年度は、厚生労働省が特定した糖尿病薬医薬品ガイド10成分および抗リウマチ薬、血液凝固阻止剤および抗血小板剤、喘息治療薬の医薬品ガイド13成分の原案評価とコメントを提出した。その結果平成18年1月と3月末の2回にわたって品目数として糖尿病用剤53、抗リウマチ薬6、血液凝固阻止剤および抗血小板剤83、喘息治療薬18の医薬品ガイドが公表された。薬剤師の医薬品ガイドへの期待が大きいことが分かった。
2)患者・国民の医療に於ける役割の明確化と段階的教育啓発のあり方に関する予備調査では、看護学生への調査からは、薬局薬剤師やITを利用して情報を収集し、比較的正確に薬を服用している患者像が浮かび上がった。患者は薬剤情報を一方的に得たいのではなく、薬剤選択時に情報を持った専門家と共に選択することを望んでおり、医師は患者に正確な患者情報の提供などを期待していた。
3)多剤併用時の重篤副作用早期発見における自覚症状用語の役割に関しては、多剤併用時の副作用既知症例の自覚症状用語から81%という高い副作用検出率が得られた。また服用経験のある国民は、ITの活用で副作用の迅速な発見を補助する本システムの様なツールを期待していることが分かった。
2)患者・国民の医療に於ける役割の明確化と段階的教育啓発のあり方に関する予備調査では、看護学生への調査からは、薬局薬剤師やITを利用して情報を収集し、比較的正確に薬を服用している患者像が浮かび上がった。患者は薬剤情報を一方的に得たいのではなく、薬剤選択時に情報を持った専門家と共に選択することを望んでおり、医師は患者に正確な患者情報の提供などを期待していた。
3)多剤併用時の重篤副作用早期発見における自覚症状用語の役割に関しては、多剤併用時の副作用既知症例の自覚症状用語から81%という高い副作用検出率が得られた。また服用経験のある国民は、ITの活用で副作用の迅速な発見を補助する本システムの様なツールを期待していることが分かった。
結論
本研究成果は、患者の安全確保を図っている厚生労働省の医薬品安全対策に寄与できると考える。
公開日・更新日
公開日
2006-07-26
更新日
-