文献情報
文献番号
200501070A
報告書区分
総括
研究課題名
混合ワクチンの品質確保に関する研究
課題番号
H16-医薬-041
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
宮村 達男(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
研究分担者(所属機関)
- 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 新谷 三春(国立感染症研究所 細菌第二部)
- 高橋 元秀(国立感染症研究所 細菌第二部)
- 堀内 善信(国立感染症研究所 細菌第二部)
- 武田 直和(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
9,260,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ワクチン関連マヒという生ポリオワクチンの重大な副作用をなくし、かつ社会レベルの免疫を保ち、ポリオの根絶を達成するためには不活化ポリオワクチンの導入は必須である。本研究では、不活化セービンワクチン(sIPV)と既に製造使用されているDTaPワクチンとの混合ワクチンを試作し、その安全性、有効性を評価し、ワクチンの品質管理を確立するための生物学的製剤基準の作成を目的とした。
研究方法
感染症流行予測調査事業で実施されているポリオの感受性調査を行なった。DTaP力価試験、ジフテリアトキソイドおよび破傷風トキソイドの力価測定、エンドトキシン試験および安全性試験を国内生物学的製剤基準の試験法に準拠して実施した。無菌試験への2-フェノキシエタノールの影響を調べた。国内sIPV参照品、およびsIPV-DTaPワクチンを試作し、ラット免疫原生試験を行なった。ラット免疫原生試験のプロフシェンシー試験を行なった。
結果と考察
3型以外においては、ポリオウイルス抗体陽性率は高く維持されていたが、昭和50-52年生まれの世代の1型抗体陽性率は、前後の年齢群より低く、引き続き予防接種の勧奨が必要である。複数の動物種、接種量および接種部位を用いて性状の異なる同種のワクチンを比較、一貫してワクチン間の差異を検出できる条件下で、DTaPとDTaP-sIPVの間に局所反応原性の差を認めなかった。従ってsIPVの局所反応への影響は少ないと考えられる。DTaP-IPV-JPに保存剤として用いられる可能性のある2-POEは無菌試験に影響を与える可能性は少なかった。ワーキンググループを立ち上げ、生物学的製剤基準(案)を作成した。ポリオ力価試験に関連した手法、試薬、解析方法を統一し、その記録を整備した。国内sIPV参照品、およびsIPV-DTaP試作ワクチンを用いて、ラット免疫原生試験のプロフィシェンシー試験を行なった。その結果、機関による差が見られず、各機関の習熟度に問題点はないと考えられた。
結論
沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン生物学的製剤基準(案)を作成した。
公開日・更新日
公開日
2006-04-24
更新日
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