ダイオキシン類による食品汚染実態の把握に関する研究

文献情報

文献番号
200501048A
報告書区分
総括
研究課題名
ダイオキシン類による食品汚染実態の把握に関する研究
課題番号
H16-食品-016
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 久美子(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
研究分担者(所属機関)
  • 米谷 民雄(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
  • 堤 智昭(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
  • 天倉 吉章(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
  • 中川 礼子(福岡県保健環境研究所保健科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
61,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ダイオキシン類(DXN:PCDD/Fs、Co-PCB)、臭素系DXNとその関連化合物の食事経由摂取量の把握、食品汚染実態の把握、食品中DXN測定法の開発・改良などを目的とする。
研究方法
(1)トータルダイエット試料中のDXNを分析し、一日摂取量を算出した。(2)市販魚介類41試料中のDXNを分析した。タバコ植物体と3農薬を用いてファイトレメディエーションの予備検討を行った。(3)AhイムノアッセイとPCB ELISAを組み合わせたバイオアッセイ、及び高速溶媒抽出法(ASE)の検討を行った。魚油を原料とする健康食品中の臭素系DXN等を分析した。(4)臭素系DXNと臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)の汚染調査、四臭素化ビスフェノールA(TBBAP)の微量分析法の検討と汚染調査を実施した。
結果と考察
(1)DXNの一日摂取量は1.20±0.66 pgTEQ/kg/dayであった。(2)魚介類の分析データを蓄積した。形質転換タバコは農薬に抵抗性を示したが、農薬の吸収能は野生株と差がなかった。(3)本バイオアッセイを市販魚中のDXN測定に適用した結果、GC/MSによる従来法の毒性等量値と良い相関(r>0.95)が得られた。ASEはアルカリ分解・溶媒抽出法と比較し、動物性食品中のDXNをより短時間(約30分)に同様の効率で抽出可能であった。健康食品中の臭素系DXN濃度は低かったが、PBDE濃度が高い製品があった。(4)トータルダイエット試料の油脂群から1,2,3,4,6,7,8-HpBDFが検出された。PBDEは全食品群から検出された。臭素系DXNとPBDEの一日摂取量はそれぞれ、0.00034 pgTEQ/kg/day、2.48 ng/kg/dayであった。魚10試料の全てからPBDEが検出された。魚介類45試料のTBBPA平均濃度は0.02 ng/gであった。
結論
(1)DXNの一日摂取量はTDIより低く、この数年横這いで推移している。(2)平成13-17年度の魚介類分析値から推定したDXN一日摂取量は(1)の結果とほぼ一致した。(3)検討したバイオアッセイ法は、市販魚中DXNのスクリーニング法として有望であった。ASEは動物性食品中のDXNの迅速な抽出法として使用可能と考えられた。(4)臭素系DXNの検出率は低いが、PBDEとTBBPAの検出率は高かった。

公開日・更新日

公開日
2006-10-10
更新日
-