食品中の有害物質等の摂取量の調査及び評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501047A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中の有害物質等の摂取量の調査及び評価に関する研究
課題番号
H16-食品-015
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
松田 りえ子(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
研究分担者(所属機関)
  • 米谷民雄(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
  • 杉山英男(国立保健医療科学院生活環境部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品中の有害物質の量とその分布状態を明らかにして食品の安全性を確保することは,食品衛生における基本課題である.本研究では,汚染実態・摂取量を把握すると共に,正確な分析法を確立することにより,食品中の有害物質による健康危害リスクの正確な評価を目的とする.
研究方法
食品の有害物質汚染状態の把握のために,汚染物モニタリング調査研究によりデータを経年的に収拾し,トータルダイエット調査で日常的に摂取する量・形態で の食品からの化学物質への曝露状態を評価する.基礎資料に乏しい放射性物質の摂取量・被ばく線量評価のため,トータルダイエット試料を分析し,曝露状況を明らかにする.水銀による健康影響の正確な評価のために,毒性の強いメチル水銀の分析法を確立する.
結果と考察
トータルダイエット試料から推定した重金属・農薬等の汚染物摂取量は,従来の結果と比較して大きな変動は見られなかった.食品中の汚染物濃度30万データを収集し,一部をFAO/WHO食品及 び飼料汚染物モニタリング計画に送付した.日本国内4ブッロクでトータルダイエット試料を調製し,放射性核種の1日摂取量を求めた.本年度の研究結果は前年度4地域の結果と同様の傾向を示し,各地域間による濃度の差異はみられなかった.これら放射性核種濃度をもとに算出した1日摂取量は小さく,公衆への被ばくへ線量寄与は小さいものと評価された.メチル水銀のアセトン/トルエン前処理法を採用して,環境省法との比較検討を行った.アセトン/トルエン前処理法において検量線用標準液を試料と同様に抽出処理した場合には,高い回収率等が得られた.しかし,検量線の直線性が良好な場合とそうでない場合があり,その原因についてさらに検討が必要と考えられた.
結論
食品の化学汚染状況が明らかとなり,食品の安全性保証の基礎的データとなった.多種にわたる放射性核種の1日摂取量とその被ばく線量を算出した結果,曝露量は大きくないことが推定評価された.水銀分析法研究により,環境省法よりも操作が簡単で高回収率の方法が得られ,公定法改良に役立つと考えられる.

公開日・更新日

公開日
2006-10-10
更新日
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