農薬等の一律基準と加工食品基準及び急性暴露評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501044A
報告書区分
総括
研究課題名
農薬等の一律基準と加工食品基準及び急性暴露評価に関する研究
課題番号
H16-食品-009
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
米谷 民雄(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
研究分担者(所属機関)
  • 根本 了(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
  • 岡 尚男(金城学院大学薬学部)
  • 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
  • 吉池 信男(国立健康・栄養研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
農薬等のポジティブリスト制が施行されるが、一部の加工食品にも暫定基準が設定されるため、その分析法開発を企図した。一方、残留農薬の暴露評価において、急性暴露評価手法の確立が課題となっている。確立にあたっては、個別農作物の残留データや食品の摂取量データの収集、急性参照用量や統計学的手法の検討などが必要である。そこで、それらの情報を収集し、また特定農作物の作物残留試験を実施し、急性暴露評価手法の確立をめざした。
研究方法
①GC/MSによる加工食品中の残留農薬分析法の開発では、対象を約180農薬に拡大し、植物油の分析法を検討した。②LC/MSによる分析法開発では、双方向向流クロマトグラフィーを用いた試料精製法とLC/MS/MSを組み合わせた方法を検討した。③急性参照用量に関する調査研究では、その情報を収集・整理した。④急性(短期)暴露評価手法の確立においては、国民健康・栄養調査から白菜の摂取量分布を得、このデータと掛け合わせるために、葉菜(白菜、大根葉)におけるエンドスルファンの残留試験を実施した。
結果と考察
①GC/MSによる分析法の開発では、脱脂後、シリカゲルカラム及びPSAカラムで精製し、GC/MS測定する簡便迅速な方法を開発した。また、大量注入-GC/MS法を検討し、植物油に適用し、分析の迅速化・簡便化を達成した。さらに、製粉化穀類等の残留農薬GC/MS一斉分析法を開発した。②今回のシステムを用い、食用油、穀物粉、食パン中の有機リン系農薬等の迅速分析法を開発した。分析時間は20~30分程度であった。③残留農薬等の急性参照用量に関する情報を収集し、安全係数の設定の考え方及びヒトデータの取り扱い等について整理した。④白菜の摂取量分布では、摂取者における97.5パーセンタイル値は249g(20~64歳)であったが、季節的な変動が大きかった。一方、葉菜(白菜、大根葉)におけるエンドスルファンの残留試験から変動係数を求め、また、海外の短期経口摂取量推定法(特に確率論的手法)の適用可能性について、実際のデータを用いて試算し、推定法の適用可能性を検討した。
結論
加工食品中残留農薬のGC/MS及びLC/MSによる分析法開発は順調に進行している。また、急性参照用量の情報を収集し、食品摂取量分布と残留農薬濃度分布を用いて急性暴露評価手法の適用可能性について検討した。

公開日・更新日

公開日
2006-10-10
更新日
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