国際的動向を踏まえた食品添加物の規格の向上に関する調査研究

文献情報

文献番号
200501032A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的動向を踏まえた食品添加物の規格の向上に関する調査研究
課題番号
H16-食品-010
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤恭子(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 斎藤寛(岡山大学薬学部)
  • 扇間昌規(武庫川女子大学薬学部)
  • 杉本直樹(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 久保田浩樹(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国際的に広く使用されて,安全性が確認されている食品添加物については、できるだけ早期に指定する方向で検討が進められている。他方、食品添加物の規格規準に関しても、国際的な整合が望ましく、既指定添加物に関しても規格の高度化、国際化を進める必要がある。本研究では、規格やその試験法の高度化と国際整合を目指した調査研究を推進する。
研究方法
食品添加物の生産量統計調査では、平成16年度の食品添加物の生産量あるいは輸入量のアンケート調査を実施し、食品添加物の流通量をまとめる。香料では、我が国で使用されている香料の90%以上を占めるものにつき規格化を検討する。平成16年度に作成した香料化合物データベース(2,926品目)を基盤に、国際的なデータベースへ拡大する。残留溶媒試験では、増粘多糖類のへードスペース-GC法での分析法を検証した。赤外吸収スペクトルでは、確認試験法としての測定の最適化に努める。NMRでは、含量規格への適用の可能性を検討し、LC/MSと安定同位体の使用による構造確認法としての応用を検討する。使用基準設定さらに安全性の確保のための基礎研究として、食品添加物の食品中での消長、変化を追跡する研究を継続する。
結果と考察
生産量統計では、平成16年度の指定添加物の生産量及び輸入量を調査した。香料では,我が国の香料化合物使用量の90%を占める245品目について検討し、129品目の自主規格を完成した。香料データベースでは、欧米での流通品を追加して、4,329品目の国際的なデータベースとした。残留溶媒試験では、増粘多糖類へのヘッドスペース-GC法が、蒸留法と比較しやや小さな値を与える傾向が認められた。赤外参照スペクトルでは、適切な参照が困難な事例が認められ、測定法の選択が重要であった。NMRがポリソルベートのエチレンオキサイド含量の推定に,安定同位体を用いるLC/MS分析が、クチナシ青色素の化学構造推定に有用であることを示した。ソルビン酸では、ソルビン酸とシステインとで生じる反応生成物の分取精製を試みた。次亜塩素酸ナトリウムによる副成生物では、カット野菜殺菌処理時のジクロロアセトニトリル及び抱水クロラールの生成量は、濃度、pH、温度に依存すること、さらにクエン酸添加時にはハロケトンが、リンゴ酸添加時には抱水クロラールが経時的に増加することを明らかにした。
結論
以上の研究成果は、直接的に食品添加物規格の国際化に向けた改訂に役立つとともに、我が国の食品添加物行政の安心・安全の確保に資するものである。

公開日・更新日

公開日
2006-10-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-