文献情報
文献番号
200501027A
報告書区分
総括
研究課題名
カドミウムを含む食品の安全性に関する研究
課題番号
H16-食品-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
香山 不二雄(自治医科大学 地域医療学センター 環境医学部門)
研究分担者(所属機関)
- 堀口 兵剛(自治医科大学 地域医療学センター 環境医学部門)
- 中井 里史(横浜国立大学)
- 池田 正之(京都工場保健会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
32,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1.骨粗鬆症と関連のある遺伝子のSNPsについて、全国8カ所の被験者約2,000名について解析を行い、カドミウムの影響の有無について解析を進める。
2.カドミウム以外のMg、Ca、Zn、Mn、Ni、Co、Cuなどの尿中各種金属濃度が尿中α1-MG、β2-MG濃度に影響を及ぼすか否かについて検討する。
2.カドミウム以外のMg、Ca、Zn、Mn、Ni、Co、Cuなどの尿中各種金属濃度が尿中α1-MG、β2-MG濃度に影響を及ぼすか否かについて検討する。
研究方法
1.全国8カ所の被験者の中から骨粗鬆症に関連性のある遺伝子多型について遺伝子解析の同意が得られている被験者の血液から抽出したDNAを用い、Sequence Specific Primer-Single Molecule Fluorescence Detection (SSP-SMFD)法を用いて、SNPs解析を行った。
2.2000?2004年に全国11箇所のCd非曝露地区在住成人女性より提供を受け凍結保存している約13,000の尿検体の中から1,000検体を一定の条件で選定して、ICPにて上記金属濃度を測定した。
2.2000?2004年に全国11箇所のCd非曝露地区在住成人女性より提供を受け凍結保存している約13,000の尿検体の中から1,000検体を一定の条件で選定して、ICPにて上記金属濃度を測定した。
結果と考察
1.全被験者の中で遺伝子解析の同意の得られた血液サンプルは、約2,000検体について骨粗鬆症に関連のある遺伝子を解析した。その中でも骨密度の維持にエストロゲンが非常に重要な要因であり、さらに骨梁に多く存在するエストロゲン・レセプターβの19SNPsについて解析を行い、17のSNPsについては測定が終了した。現在、解析途上であるが、九州、近畿、北関東、南東北、北東北、北陸で17のSNPsの頻度に大きな差はないことが明らかとなった。また、6つSNPsと6つSNPsとの2つの大きなハプロタイプ・ブロックが存在することが明らかとなった。さらに、骨密度および生活習慣などとの解析を進めている。
2.α1-MG・β2-MG(対数)を従属変数、年齢(眞数)および8金属(対数)を独立変数として重回帰分析を行ったところ、クレアチニン補正の有無にかかわらず、Cuはα1-MG・β2-MGの最も強い決定因子であり、Cdはα1-MGに対しては2位又は3位を占めたが、β2-MGに対しては4?9位の影響力しか示さなかった。
2.α1-MG・β2-MG(対数)を従属変数、年齢(眞数)および8金属(対数)を独立変数として重回帰分析を行ったところ、クレアチニン補正の有無にかかわらず、Cuはα1-MG・β2-MGの最も強い決定因子であり、Cdはα1-MGに対しては2位又は3位を占めたが、β2-MGに対しては4?9位の影響力しか示さなかった。
結論
エストロゲン・レセプターβの既知の17 SNPsを解析した結果、現在の地域差はほとんどなく、17のSNPsは2つの大きなハプロタイプの群に分けられることが明らかとなった。さらに、骨密度との関係を精査する。
カドミウムの曝露の低い集団検診で集められた尿中α1-MG、β2-MGとも、Cuが最も強い決定要因であり、カドミウムはむしろ弱い影響しか示さなかった。
カドミウムの曝露の低い集団検診で集められた尿中α1-MG、β2-MGとも、Cuが最も強い決定要因であり、カドミウムはむしろ弱い影響しか示さなかった。
公開日・更新日
公開日
2006-10-10
更新日
-