いわゆる健康食品の有効性の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501026A
報告書区分
総括
研究課題名
いわゆる健康食品の有効性の評価に関する研究
課題番号
H16-食品-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
上野川 修一(日本大学生物資源科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 河野 陽一(千葉大学大学院 医学研究科)
  • 戸塚 護(東京大学大学院 農学生命科学研究科)
  • 池上 幸江(大妻女子大学 家政学部)
  • 志村 二三夫(十文字学園女子大学 人間生活学部)
  • 篠塚 和正(武庫川女子大学 薬学部)
  • 花田 信弘(国立保健医療科学院 )
  • 今井 奨(国立保健医療科学院)
  • 高橋 信博(東北大学大学院 歯学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
いわゆる健康食品はその保健効果に関する国民の関心は高いが、その科学的根拠には不確かなものがあることや、厳正な有効性の評価方法が存在しないなどの問題点がある。本研究により医薬品とは違った意味で食の保健効果を科学的、厳正に評価する独自の方法を確立する。
研究方法
1)食品のもつ免疫調節機能、アレルギー予防機能の評価方法の確立を目指し、免疫調節作用が期待されるプロバイオティクス菌体などを用いて検証を行った。ヒト新生児からのアレルギー追跡調査と臍帯血単核球のサイトカイン産生能解析、免疫調節機能の評価系としてマウス腸管免疫系の細胞応答を解析した。
2)食品のもつ生活習慣病(主にがん、循環器疾患、精神疾患)予防効果の評価方法の確立を目指し、突然変異の誘発を抑える食品成分のスクリーニング法、食品成分の抗変異原性の簡便な評価法、病態モデル動物を用いた脂質代謝に対する有効性評価、脳・神経系の健康や精神保健の用途における食品素材の有効性評価、ラットを用いた循環器系諸機能の網羅的評価を、それぞれ有効性がすでに報告あるいは期待される食品素材を用いて検証を行った。
3)食品の口腔における有効性評価方法の確立を目指し、口腔内再石灰化能(定量的可視光励起蛍光法・ヒト唾液浸漬試験)、口臭の評価(官能試験やガスクロマトグラフィー、リアルタイムPCR法や電子嗅覚装置測定法)、人工口腔装置を用いたバイオフィルム形成量、pH低下、エナメル質脱灰度の定量、口腔内細菌叢の評価(舌苔中のう蝕原性細菌と歯周病原性細菌のPCR法による検出)、口腔内酸産生性評価(プラークpHテレメトリー法)、口腔バイオフィルムに関する微生物叢(DNAマイクロアレイ解析)について、それぞれ食品を用いた検証を行った。
結果と考察
1) アレルギー改善食品の評価法として上記評価方法の有用性が期待できる。免疫調節機能の評価法としてマウス腸管免疫系の細胞応答(遺伝子発現、抗体やサイトカイン産生など)を加えた総合的な評価する必要性がある。
2) 食品のもつ生活習慣病予防効果の上記評価方法の有用性が期待され、さらなる実験データの蓄積が必要である。
3) 食品の口腔における有効性評価方法は上記評価方法の有用性が期待された。
結論
評価方法としての有効性が期待される結果が得られ、今後はさらなる食品素材についてデータの蓄積を行い、厳正な有効性評価方法の確立を目指していきたい。

公開日・更新日

公開日
2006-10-10
更新日
-