プレス作業を対象とした安全技術の高度化に関する研究

文献情報

文献番号
200501018A
報告書区分
総括
研究課題名
プレス作業を対象とした安全技術の高度化に関する研究
課題番号
H17-労働-013
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
梅崎 重夫(独立行政法人産業安全研究所 機械システム安全研究グループ)
研究分担者(所属機関)
  • 清水 尚憲(独立行政法人産業安全研究所 機械システム安全研究グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
6,375,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
サーボプレスの安全要件の解明、車体加工用プレス機械の安全システムの高度化、二次加工用プレス機械の安全システムの高度化に関する研究を実施する。このうち、サーボプレスでは、機能安全国際規格IEC61508の動向なども考慮した安全要件の解明を目指す。また、車体加工用プレス機械やプレスブレーキの安全化では、レーザー計測を利用した環境認識や安全フィールドバスなどを利用した最新技術を活用したシステム構築を図る。
研究方法
プレス作業で発生した労働災害事例の分析及びサーボプレスの運用状況に関する調査を行い、プレス機械の種類、加工品の大きさと形状、加工区分(打ち抜き・曲げ・絞り等)、生産数量などに対応した最適なリスクアセスメント手法及び災害防止手法を提案する。また、車体加工用プレス及び二次加工用プレスブレーキの安全システムを対象に、レーザー計測などの最新の光電子技術や、安全フィールドバスなどの最新のIT関連技術を試行的に適用した実験装置を整備する。さらに、最近の国際的な議ずつ動向も考慮した上で、サーボプレスの安全要件の解明を図る。
結果と考察
平成17年度はにおいて、災害防止手法の提案では、平成18年度から労働安全衛生法にリスクアセスメントに関する条項が追加されることを考慮し、プレス機械を対象としたリスクアセスメント手法の構築を進めている。サーボプレスの安全要件の解明では、欧州の技術専門家の協力を得ながらサーボ機構に対する新しい安全制御理論の解明を進めている。車体加工用プレス機械及び二次加工用プレスブレーキ用安全システムの開発では、実験装置の整備を進めている。
結論
労働災害の分析の結果、平成11年には46.8%、平成13年には44.5%であった傷害部位での切断・挫滅の件数が平成15年には55.9%、平成16年には59.0%に達しており、災害の重篤化が推察された。リスクアセスメント手法の開発では、プレス機械の種類ごとに最近の安全技術の高度化に配慮したリスク低減戦略の構築を行った。サーボプレスの安全要件は、1)手指が危険限界内に進入していないか、またはスライドが下降していないことの常時監視、2)サーボ制御系のフェールセーフ性の保証、3)機械式ブレーキの停止性能の保証に集約できる。二次加工用プレスブレーキと大型プレス機械の安全システムの開発では、産業安全研究所が実施した災害調査を活用して、安全システムの仕様検討を進めるとともに、試験機を製作している。

公開日・更新日

公開日
2006-06-09
更新日
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