手腕振動障害防止のための振動ばく露リスク評価および低減策に関する研究

文献情報

文献番号
200501014A
報告書区分
総括
研究課題名
手腕振動障害防止のための振動ばく露リスク評価および低減策に関する研究
課題番号
H17-労働-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
前田 節雄(独立行政法人産業医学総合研究所人間工学特性研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 安藤 英雄(久留米大学医学部環境医学講座)
  • 細矢 直基(埼玉大学大学院理工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,065,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、1:工具メーカーの試験規則から得られた宣言値に基づいたデータベースを構築、2:メーカーから提供される工具の取扱説明書やカタログに工具自体のリスク度が把握しやすいようなラベリング表示方法についての検討、3:インターネットで公開されている工具データ及び実振動レベルを把握するための測定を実施し、ランク分けの基礎データについて検討した。
研究方法
1:工具メーカーで行っている試験規則により得られた工具別の振動値などを収集した。2:メーカーから提供される工具の取扱説明書やカタログに工具自体のリスク度が把握しやすいようなラベリング表示方法や、我が国のJISマークや欧州のCEマークなどの調査を行い、各種現場でわかりやすいラベリング表示方法について検討した。3:工具をランク分けの検討の為に、インターネットで公開されている工具データベースを検索し現在用いられている振動工具実態を明らかにした。
結果と考察
1:わが国の代表的な工具メーカーの工具の振動の実態は、決してEU Directiveの1日8時間の等価振動加速度として、振動暴露限界値(exposure limit value)5 m/s2 rmsを下回る工具は少なく、更なる振動低減対策が必要であることが明らかになった。2:我が国においても同様なシステムを導入する際には、各振動工具メーカーがISOなどの一定の規則に則り振動加速度を測定する必要がある。3:試験規則値では1軸加速度値と3軸加速度補正値(ISO 5349による1.7倍とprCEN/TR 15350による1.5~2.0倍)を示した。
結論
1:わが国の代表的な工具メーカーの工具の振動の実態を明らかにし、試験規則から得られた工具メーカーの宣言値に基づいたデータベースを構築し、事業主や作業者が事前に工具のリスク度が把握できるような検索システムを構築することが出来た。2:トラフィックライトシステムは、振動工具がもつ振動に関する情報を作業者に認知させることを容易に可能にさせると考えられる。3:多くの場合において試験規則値の方が実現場測定値よりも大きくなることを明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2007-06-22
更新日
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