文献情報
文献番号
200501013A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者の一般就労と職場適応を支援するためのモデルプログラム開発に関する研究
課題番号
H17-労働-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
西尾 雅明(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
- 伊藤 順一郎(国立精神・神経センター精神保健研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
障害者自立支援法施行、障害者雇用促進法改正の流れの中、精神障害者就労支援のための技術とシステム開発は重要な課題である。本研究は3ヶ年計画で、欧米で有効性が実証されている『個別職業斡旋とサポートによる援助付き雇用プログラム(Individual Placement Support Employment Program:IPS)』を国内で初めて実践し、その評価を踏まえて、医療・保健・福祉と就労支援が一体となり、かつ我が国に適合可能な精神障害者職場適応支援に関するモデルプログラムを開発しようとするものである。
研究方法
A)包括型地域生活支援プログラム(Assertive Community Treatment、ACT)とIPSの統合モデル(無作為化比較試験)、B)中都市での地域生活支援センターとIPSの統合モデル(ウェイティングリスト法)、C)小都市での既存社会資源(地域生活支援センター、訪問看護ステーションなど)とIPSの統合モデル(事例分析中心)を実施し、医療・生活・職業面での援助効果に加え、支援活動のプロセスを評価し、各プログラムの比較検討を通じて我が国における就労支援の在り方について提言を行う。17年度(3年計画初年度)は、A)B)C)いずれも臨床・研究体制の整備と予備的調査(A)では無作為化比較試験前の、B)ではフィールド地区の既存の就労支援サービスの現状調査を、C)では既に支援を受けている利用者の事例評価)を中心に行った。
結果と考察
初年度の研究成果から、精神障害者就労支援プログラムにおける、①障害特性に合わせたプログラムの重要性(Bより)、②職業前訓練の課題(B)、③職業リハビリテーション的アセスメントを保護的環境下より事業所で実際に行うことの有用性(C)、④生活支援を含めた包括的支援の意義(A,C)、⑤ACTのようなインテンシブな包括的支援との統合により、重度障害者でも一般就労とその継続が可能であること(A))、⑥訪問型・同行支援の必要性(A,C)、などが明らかにされつつある。
結論
各IPS統合モデルの臨床・研究体制も順調に整備され、IPSの利点を国内実施でも得られる可能性が示唆されている。今後2年間の継続実施によってより多くのデータを収集し、また企業・事業所側に必要な関わりを詳細に分析することで、最終年度には、精神障害をもつ労働者の安全と健康の確保と、彼らにとって快適な職場環境の形成を促進する就労支援の実践モデルを提言することが可能となる。
公開日・更新日
公開日
2007-06-22
更新日
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