交通労働災害防止のための安全衛生管理手法の高度化に関する研究

文献情報

文献番号
200501012A
報告書区分
総括
研究課題名
交通労働災害防止のための安全衛生管理手法の高度化に関する研究
課題番号
H17-労働-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
中村 隆宏(独立行政法人産業安全研究所境界領域・人間科学安全研究グループ)
研究分担者(所属機関)
  • 篠原 一光(大阪大学大学院人間科学研究科)
  • 臼井 伸之介(大阪大学大学院人間科学研究科)
  • 小川 康恭(独立行政法人産業医学総合研究所)
  • 平田 衛(独立行政法人産業医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
12,665,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
物流手段としての自動車への依存度やサービス向上への期待は高まっているが、運輸・運送業界内の競争の激化に加え、とりわけ都市部において顕著な駐車スペースの不足や慢性的な渋滞は、現場の労働環境・労働条件をより過酷なものとしている。こうした状況が深刻化することによる長時間労働・過重労働は、労働者のエラーを誘発し、第三者をも巻き込んだ重大な災害につながることが懸念される。本研究は、運輸・運送業界における情勢の変化への対応を見据え、交通労働災害防止のための安全衛生管理手法の高度化について検討するものである。
研究方法
労働実態の把握のため、災害防止団体・業界団体、深夜の運転業務に従事する労働者等を対象に、ヒアリング調査を試みた。さらに、ハイヤー・タクシー運転者を対象にベースライン調査を実施した。また、翌平成18年度から予定しているシミュレーション実験に備え、実験における問題点の検討、及び実験機器の仕様変更・機能拡張作業を実施した。
結果と考察
予備的なヒアリング調査からは、業界内での競争の激化は、現場労働者にとっても極めて深刻な事態となっていることが伺える。効率化を追求する傾向は運輸・運送業に対しても大きく影響し、原油高の影響によるコスト削減の必要性が逼迫していることなどが、労働環境に直接の影響を及ぼしている。
ハイヤー・タクシー運転手を対象とした調査から明らかとなった労働の実態は、一ヶ月12回程度、朝8時頃から翌朝4時頃までの20時間勤務という過酷なものであった。80%以上が心身の疲れを感じており、また睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査にも使用されるEpworth眠気尺度で、12.5%の対象者が異常と判定された。
運転パフォーマンスの測定実験については、実験内容及び条件等を考慮し、問題点や課題について検討した。映像提示方式の変更・提示装置の設置・提示視野角の拡大等、シミュレータとしての機能拡張・仕様変更を行った。
結論
ヒアリング調査手法に関する問題点は当初より予測されていたが、本格的な調査実施に当たっては、個々の事業場はじめ業界団体等との密接な協力関係を築く必要がある。タクシー・ハイヤー運転者を対象とした調査は今後とも継続し、健康リスクが労働条件とどのように関連しているかについて詳しく解析を進める。また、シミュレータ実験の実施に向け、運転操作状況を反映したデータの取得機能、及び分析能力の付加が必要である。

公開日・更新日

公開日
2007-06-22
更新日
-