石綿含有建材の解体工事現場で作業する労働者の石綿ばく露状況の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501011A
報告書区分
総括
研究課題名
石綿含有建材の解体工事現場で作業する労働者の石綿ばく露状況の評価に関する研究
課題番号
H17-労働-008
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
社団法人 日本作業環境測定協会(社団法人日本作業環境測定協会)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,925,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省では平成17年2月に「石綿障害予防規則」を制定し、同年7月1日より施行した。この中には、石綿含有建築材料を使用した建築物の解体・改修工事に伴う労働者についての対策等が盛り込まれ、当該労働者に対する健康障害防止に関わる措置等が強化された。そこで、環境空気中に存在する繊維状粒子のうち、石綿繊維のみを選別して測定できる方法について検討し、作業現場で測定を行い、石綿ばく露濃度の測定手法を検討を行った。
研究方法
(1)環境空気中に存在する繊維状粒子のうち、石綿繊維のみを選別して測定できる手法の検討 (2)石綿含有建築材料を使用した建築物の解体・改修工事の作業現場の選定 (3)石綿飛散濃度、石綿ばく露濃度の測定のための試料のサンプリング (4)測定対象の石綿含有建築材料中に含まれる石綿の種類の調査 (5)石綿含有建築材料中に含まれる石綿の種類の分析 (6)サンプリング試料の分析
 
結果と考察
環境空気中に存在する繊維状粒子のうち、石綿繊維のみを選別して測定できる手法の検討および石綿含有建築材料を使用した建築物の解体・改修工事等に関わる現場測定を行った。その結果、現在の石綿測定法として作業環境測定基準で定めている、ろ過捕集法-計数分析法によって得られる総繊維数濃度測定値に対して、前処理方法を一部変更し、分散染色分析法により計数分析を追加して行うことにより、同一サンプルで総繊維数濃度(従来法)、無機質総繊維数濃度、石綿繊維数濃度を測定することが可能となった。
本方法の使用により、石綿含有建材等が使用されている建築物室内や、解体、改修、除去等の作業に係る環境空気中の濃度測定手法としての有効利用が期待できる。
結論
本研究の結果、同一サンプルを使用した総繊維数濃度、無機質総繊維数濃度、石綿繊維数濃度を区別して測定することが可能であることが判明した。本方法を使用することにより、無機質総繊維を更に細分化して、石綿繊維以外の人造鉱物繊維の繊維数濃度を測定することも考えられる。また、本結果をJIS3850-1に反映し、新規の方法として採用できるものと考えられるとともに、環境省の一般環境大気を対象としたアスベストモニタリングマニュアルや国土交通省の住宅等の石綿取り扱い作業以外の石綿測定手法として有効であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-10-30
更新日
-